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琥珀糖・水信玄・水まんじゅう…心惹かれる透明な和菓子! 見た目も涼し味もよし【前編】
■山梨の銘水を封じ込めた透明な水信玄
銘水を寒天で固めたシンプルな水信玄餅(写真:金精軒)
山梨県の北杜市白州町は、国産のミネラルウォーター生産量が日本で一番になるほどの採水地。そんな山梨の銘水を寒天で固めた透明な水菓子が「水信玄」です。「金精軒(きんせいけん)」というお店で作っています。
透明な水滴の塊のような水信玄は、寒天の量を限界まで抑えて作っているので、ぷるんぷるんとした柔らかい食感。
そして、極上の食感を味わう賞味期限は30分!朝、整理券が配られ午前中には完売するほどの名物です。
本来は店で注文し、飲み物と共にその場でいただくお菓子ですが、今年はコロナウイルス感染症対策のため持ち帰りもできるようになっています。持ち帰りの場合でも、賞味期限はやはり30分なので購入する前に食べる場所を決めておいたほうがいいですね!
(持ち帰りに関する情報は、金精軒HPのこちらをごらんください。)
金精軒には、有難いことに全国からお客様がいらっしゃる夏の人気水菓子があります。ミントの琥珀糖が人気の【前編】でご紹介した金精軒さん。山梨の銘水を封じ込めた「水信玄」でも有名なのです。
とはいえ、こんな状況です。これを機に、山梨ではなくご自身の地元にある美味しい水菓子を召し上がっていただき、いまこそ地元の良さを味わってみてください。
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— 金精軒 (@kinseiken_jp) June 1, 2020
金精軒公式HP
■透明なくずに包まれた餡 水まんじゅう

透明な生地で餡を包んだ水まんじゅう(写真:photo-ac)
夏らしい和菓子といえば、くず粉を使った透明な生地で餡を包んだ「水まんじゅう」です。くず粉とワラビ粉を混ぜて作っているところもあるようです。
水まんじゅうは、地下水が豊富で「水の都」の異名を持つ、岐阜県の大垣市の名物として知られています。
その中でも歴史ある老舗「つちや」・「金蝶園総本家」・「餅惚」は、特に有名。
大垣では、夏になると店頭に水を張った小さなプールのような仕掛けを作り、水まんじゅうを沈め冷やして販売しています。冷蔵庫で冷やすと硬くなってしまうため、自然な冷たさの水を利用しているそうです。
それぞれに異なる老舗の水まんじゅうを食べ歩くのもいいですね。

色合いも美しい水まんじゅう(写真:photp-ac)
もちろん、大垣市以外にも水まんじゅうを扱っている和菓子屋さんは多く、お取り寄せできるところもあります。暑い夏の3時のおやつに取り寄せてみませんか。
そのまま冷やして食べるのもよし、かき氷に乗せたりガラスの器に水と氷を張って浮かべたりしても美味しくいただけます!
■見た目も涼しげ喉ごしもつるり 葛きり

つるんとした喉ごしの葛きり(写真:photp-ac)
夏場はもちろんのこと、通年老若男女に人気があるのが「葛きり」。
葛きりは、葛粉を水で溶かし、型に流し入れてから加熱していた上に固め細長く切ったものです。鍋料理に入れることもありますが「冷やして蜜をかけて食べる」のが一般的。
現在では葛粉の供給が少なくなってきたため、ジャガイモ澱粉などを使ったものが多くなりました。葛粉は昔、風邪の対処療法や胃腸の治療薬として用いられていたそうです。
食後お腹がいっぱいでも不思議とつるんと食べれてしまうので、デザートとしても人気。身体の中にさわやかな涼風が吹く葛きりは、全国の和菓子屋さんにて扱いがあります。取り寄せできるものもあるので夏のおやつにいかがでしょう。
■筆者がお気に入りの「琥珀流し」

『琥珀流し』。これは9月でぶどう味(写真:TERUAKI .T)
ちなみに、筆者が京都に訪れた際には必ずいただくのがこれ。老舗の和菓子屋さん「大極殿本舗六角店」に併設している甘味処「栖園(せいえん)」の『琥珀流し』です。
この琥珀流しは、月ごとに味が変わり季節を感じる逸品。とろけるような滑らかな食感の寒天ゼリーと果物やシロップのハーモニーがたまりません。
疲れた身体をほっと癒してくれる、至福のひと時が味わえます。
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