だんだんと寒さも本格化するなか、みなさんはどのように暖を取っているでしょうか?電気代の高騰などから、できれば節約しながら温まりたいと感じている方も多いのではないでしょうか。

そんななか、人気となっているのが「湯たんぽ」です。


そこで、今回の記事では、そんな「湯たんぽ」の歴史に迫ってみたいと思います。

■湯たんぽの歴史は古い。まさかの室町時代には日本に伝来

湯たんぽと聞いて、なんとなく昔の人の知恵、長い間使われてきたもの、というイメージを持っている方も多いかと思います。

その歴史は非常に古く、日本に伝わったのは室町時代だと言われています。日本には、中国から湯たんぽが伝えられました。

中国では、湯たんぽの歴史は7世紀の唐の時代にさかのぼります。湯たんぽの「たんぽ」は漢字で「湯婆」と書きますが、日本人にとってはそのままではわかりにくいため、「たんぽ」の前に「湯」をつけて「湯たんぽ」という名称になりました。

ちなみに、「婆」は「妻」という意味があり、妻の代わりに抱いて暖を取ることを意味しているとか。

室町時代に湯たんぽが伝わったことがわかる理由としては、室町時代中期の臨済宗の学僧の日記である『蔗軒日録』に「湯婆」の記載があることなどが挙げられます。

なお、日本に現存する最古の湯たんぽは、「黄瀬戸織部流し湯婆(岐阜県多治見市小名田で出土)」だと言われています。



■江戸時代には犬型湯たんぽも!?

生類憐みの令でおなじみ、犬公方とも呼ばれた江戸幕府 第5代将軍・徳川綱吉は、犬型の湯たんぽを使っていたと言われており、それは日光の輪王寺に残っています。

犬公方・徳川綱吉はなんと「犬型湯たんぽ」愛用!?室町時代に伝...の画像はこちら >>


綱吉犬形湯たんぽ(国立歴史民俗博物館 より)

※犬の左耳がネジ栓になっており、湯の注入はここから行う。
これは犬公方といわれた綱吉が生前使用したものであり表面はめっきが施してある。(国立歴史民俗博物館HPより)

ただし、江戸時代における湯たんぽは錆び防止のために銅を使っており高価だったため、庶民が手を出せるようなものではありませんでした。

江戸時代にも陶磁器製の湯たんぽはありましたが、本格的に製作されようになったのは明治になってからでした。大正時代になると、波型のトタン製湯たんぽも広まりを見せます。

いかがでしたか?この記事が、みなさんが少しでも日本文化や歴史の面白さに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。

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