いろいろな種類がある和菓子の中でも、ポピュラーでバリエーションも豊富な「どらやき」。老若男女に愛されている身近なお菓子なのですが、その誕生の由来などは諸説あります。

そして、実は4月4日は「どらやきの日」で、しあわせになれるご利益のある「どらやき神社」も存在しているのはご存じですか?

■「どらやき」っていつ誕生したの?

4月4日は「どらやきの日」!しあわせになれるご利益がある「ど...の画像はこちら >>


きつね色に焼けたオーソドックスな「どらやき」(写真:wiki)

「どらやき」というと、狐色のきれいな肌をした「丸いカステラ風の生地と生地の間に餡子をはさんだ」お菓子を思い浮かべますよね。
基本的には小麦粉・卵・砂糖を同量配合した生地を使用していますが、今は餡子のほかにもクリーム・果物・栗などを挟んだ、さまざまなバリエーションがあります。

楽器の「どら」に似ているから「どらやき」!? 「どらやき」の由来は諸説あります。

● 源義経が奥州へと逃げ延びるときに、ケガをしてしまった弁慶を人が手当をして助けてくれたので、お返しに薄く溶いた小麦粉の生地を熱した銅鑼(どら)で焼いたものに餡子をはさんだ食べ物を作ったという説

● 江戸時代、薄い生地で餡子を包んだきんつばのようなお菓子で、千利休が茶席でよく用いたという「麩焼き」の一種「助惚焼き(すけそうやき)」というものがどらやきになったという説

● 明治初期に、1枚の丸い生地で餡子を包んだ平べったいお菓子をルーツとする説

関西を中心にどらやきを「三笠」と呼ぶこともあります。優しくなだらかな曲線を描く、奈良県の三笠山から名前をもらったとか。



■4月4日は「どらやきの日」

4月4日は「どらやきの日」!しあわせになれるご利益がある「どらやき神社」って知ってた?


4月4日は「どら焼きの日」と制定されています。3月3日「桃の節句」と、5月5日「端午の節句」の間に挟まれているので、両方から皮に挟まれているあんこに見立てて4月4日をどらやきの日にしたそうです。

また、語呂合わせで4と4で、「みなで食べれば、幸せ(4合わせ)」という意味もあり、この日はどらやきを食べようとされてます。

この提案をしたのは、米子市にある「丸京製菓」です。丸京製菓は、昭和33年(1958)に創業した会社で、平成2年(1990)から「どらやき」作りを始め、日本のみならず世界にも広めてきました。

今では米子市にある本社工場は、世界一のどらやきの生産量を誇っているそうです。

■丸京庵にある「どらやき神社」

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 春らしい桜の器とどらやき(写真:photo-ac)

丸京製菓内の本社工場直営店にある「丸京庵」。

そこには、小さな「どらやき神社」があります。祀られているのは「宝来羅漢」と書かれた銅鑼で、鳥居をくぐると、一般的な神社で迎えてくれる狛犬の代わりにふっくらとした丸い「狛どらやき」が設置されています。

どらやき神社の由来書によると、「お辞儀を2回、手を4回打つことでしあわせになる」そうで、「祈願成就・心身健康・商売繁盛・家庭円満など、人々にしあわせと元気を与えてくれる」そうです。



丸京庵ではさまざまな種類のどらやきの買い物をしたり味わったりできます。

春も本番となる4月4日は、お茶を丁寧にお茶を淹れて、おいしいどらやきでゆったりと一息寛ぐ時間をもちませんか。

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 甘いどらやきとお茶と箸休めで、一息。(写真:photo-ac)

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