朝顔は日本の夏の風物詩として親しまれている一年草です。奈良時代に中国から薬草として伝わりました。
江戸時代には観賞用として広まりました。

中国では、牛と交換されるほど高価だったことから「牽牛花」という別名を持ち、七夕伝説とも結びついています。

江戸時代から明治時代にかけて多くの品種改良が行われ、さまざまな色や形の花が楽しめるようになりました。

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朝顔の名前の由来は、早朝に咲くことから「朝の顔」と思われることが多いですが、実際は「朝の容花(かおばな)」の意味があります。

容花とは、容姿の美しい花のことで、朝に美しい花をつけたので、次第に「朝の容花(あさのかほばな)」と呼ばれるようになりました。

かつては、キキョウやムクゲなどのことをさしていたといいます。

日本の夏の風物詩「アサガオ」という名称の由来には”朝の容花”という意味もあった


「朝の容花」という表現は、次第に「朝の美人」を意味する比喩表現にも使われるようになります。

奈良時代末期に成立した『万葉集』には、「高円の野辺の容花おもかげに 見えつつ妹は忘れかねつも」(高円山の野辺に咲く美しい容花のようなあなたの面影が忘れられない)」という大伴家持の歌が収められています。

日本の夏の風物詩「アサガオ」という名称の由来には”朝の容花”という意味もあった


大伴家持 狩野探幽『三十六歌仙額』

現在の朝顔には、日本朝顔、西洋朝顔、琉球朝顔などさまざまな品種があります。

日本朝顔は夏から秋にかけて花を咲かせ、代表的なものには「団十郎」や「平安の香」があります。西洋朝顔は夏の終わりから秋にかけて咲き始め、特に「ヘブンリーブルー」や「スカーレットオハラ」が有名です。

琉球朝顔は他の品種よりも早く開花し、6月から11月まで楽しめる品種で、「オーシャンブルー」などが人気です。


日本の夏の風物詩「アサガオ」という名称の由来には”朝の容花”という意味もあった


また、朝顔の花言葉を見ていても、とても興味深いです。

青色の朝顔は「儚い恋」、白色の朝顔は「純潔」、紫色の朝顔は「愛情」とされています。花の色ごとに異なる花言葉を持つのが特徴となっています。

日本の歴史や文化に、上手に溶け込んでいる朝顔。夏の朝に咲く朝顔を眺めながら、日本文化の中での朝顔のことなどを考えてみるのも、楽しいかもしれません。

参考

  • 超★雑学ブログ shiokana姫
  • 朝顔(アサガオ)の驚きの雑学!種類や特徴、知られざる歴史と花言葉など
  • メイの気まぐれ植物図鑑
  • アサガオ

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