では、当時の浮世絵師は落雷の様子を何を元に描いたのでしょうか?文献やそれまで絵師が描いてきた落雷の作品を参考に描く、又は自分が見た落雷のその瞬間を思い返して描くしかなかったのでしょう。
そういった事情もあってか、当時の浮世絵師の描くカミナリというのは現代の私たちが描くカミナリとはどこか違ったテイストがあります。忠実に再現というよりもカミナリのその荒々しさや凶暴さをどう伝えるかに賭けているように見えるのです。
主体にもよりますが落雷は一般的には背景として描くことが多いと思うのですが、当時の作品を見てみると主役そっちのけで前面に大胆にビシビシと雷が描かれているものが多いんですよね。
今回は当時描かれていた浮世絵からカミナリが描かれた作品をまとめて紹介します。見方によってはカミナリよりもカミナリらしい?カミナリの恐ろしさが非常に伝わって来る作品の数々をどうぞ。
■月岡芳年「大日本名将鑑 源三位頼政・猪 早太」
[画像を拡大]出典:Flickr
■豊原国周「清盛入道布引の滝遊覧の図」

■歌川国芳

■月岡芳年「羅城門 渡辺綱 鬼腕斬之図」

■二十四孝童子鑑 王褒

■歌川芳員「新田義興の霊怒て讐を報ふ図」

■歌川国芳「本朝二十四孝 熱田縁采女」

■歌川豊国「橋立雨中雷」

■歌川国芳「本朝水滸伝豪傑八百人之一個 犬江親兵衛 仁」

■歌川芳虎「土肥椙山旗揚」

■歌川国芳「本朝水滸伝豪傑八百人之一個 猪早太 広直」

■歌川国芳「本朝水滸伝剛勇八百人一個 渡辺源二 綱」

■国周「夕立雷名男」

■河鍋暁斎「東京名所 新吉原日本堤之図」

■絵草紙 児雷也豪傑譚

■葛飾北斎 艶本多満佳津良 行水と雷さま

■月岡芳年「和漢百物語 真柴大領久吉公」

■月岡芳年「皇国二十四功 贈正一位菅原道真公」

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