■ルール違反は反則負け

これまでJapaaanでは様々な大相撲についての豆知識をご紹介してきました。今回は大相撲の数ある決まり手の中でも、内容を聞いたらビックリ!な上、悲しくなってしまうような「反則負け」についてご紹介いたします。


反則負けとは禁じ手を使ったりなどの反則、つまりルール違反を行った力士が負けと判定されることです。禁じ手には「握り拳で殴る」「目やみぞおちなどの急所を突く」「胸や腹を蹴る」など8種類が定められていますが、これ以外でも反則と判断される行為があった場合には、行った方の力士は反則負けとなります。

反則負けについて簡単に説明しましたが、これらの他にも「えっ、そんな負け方があるの!?」と驚いてしまうようなものもいくつかあるのです。

不浄負け、マゲ掴み、ゴミ捨て?大相撲のビックリな反則負けを紹...の画像はこちら >>


歌川国芳「勧進大相撲土俵入之図」

■起きたら放送事故!?「不浄負け」

「不浄負け」とは、まわしが外れて局部が見えてしまうことです。

実際には滅多に起こらないことですが、近年では2000年の5月場所の三段目での朝ノ霧と千代白鵬の取り組みで、朝ノ霧のまわしの前袋の部分が外れて負けとなった例があります。

基本的にはまわしが外れた力士本人が負けとなりますが、例えば勝ち目がないからと相手のまわしをわざと外そうとする行動に出たような場合は、外そうとした力士の方が負けとなります。

そもそもこれが起こってしまうと、相撲の勝敗以前に「放送事故」となってしまいますよね!そこで取組中にまわしが緩んだ場合は、行司さんが「まわし待った」をかけて力士を土俵上で組んだまま止まらせ、しっかりと締め直してから取り組みを再開する決まりとなっています。

■近ごろは判定厳しい「マゲ掴み」

マゲを掴んで反則負けとなるケースは、近年増加傾向にあります。その原因の1つとして、2014年10月に行われた理事会で、それまで「頭髪を『故意に』掴むこと」とされていた大相撲の反則規定から「故意に」という部分が削除されることが決まり、同年の11月場所から施行されたことが挙げられます。これによって、意図的にマゲを掴んだわけではなくても「マゲを掴んだ」という事実が確認されれば「反則負け」を取られるようになってしまったのです。

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歌川国明「大相撲取組之図」

■土俵上のゴミを捨てたら負け!?

その他の変わった「反則負け」としては、1968年9月場所初日の十両・和晃と朝嵐の取組みがあります。

どんな反則が行われたのかというと、なんと!立ち合いの前の「制限時間いっぱい」の時に、朝嵐が土俵の上のゴミを拾い土俵の外へ捨てに行ったことが、審判員から反則として指摘されてしまったのです!「えっ?それって反則なの!?」と思われた方も多いでしょうが、実は大相撲の内規の1つには「制限時間後に土俵の外に出た場合は負けとする」というものがあるのです。
ゴミを捨てたことが反則ではなく、土俵の外に出たことで反則を取られてしまいました。

初日から「そんな~(泣)」な反則黒星スタートでしたが、朝嵐はこの場所で8勝7敗と勝ち越しを決めました!

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相撲は「礼に始まり、礼に終わる」の精神が随所に見られる世界なのです。

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