■日本人が鑑定方法を発見

「初生雛鑑別師」という資格を聞いたことがありますか?簡単に言うと「ひよこのオス・メス」を見分ける方法です。

特に鶏卵を扱う生産業では、卵を産むメスが重宝されます。
ひよこが成体になるまで待っていると、餌代の損失になりますよね。

この「初生雛鑑別師」が行うのが、ひよこの肛門を開いて生殖突起を確かめる「肛門鑑別法」または「指頭鑑別法」。素人目にはわからない、微妙な色や突起の形でオス・メスを見分けるというもの。

実は日本生まれだった!ひよこのオス・メス見分ける「ひよこ鑑定...の画像はこちら >>


じつはこの鑑定法、大正13年(1924)に日本で確立した技術で、世界中の養鶏家の間で画期的な識別方法として広まりました。

発見したのは農林省畜産試験場で研究をしていた増井清博士、橋本重郎博士、大野勇の3氏。増井博士は大正4年、東京帝国大学農科大学獣医学科を卒業後、ドイツに渡りカイザー・ウィルヘルム研究所というところで生物の「性の決定」に関する研究を行いました。

鑑定士はひよこを持ちやすい手の大きさ、手先の器用さなどで欧米人には向いていないといわれ、日本人職人が重宝され海外で活躍する人も多いとか。

■どうやってなるの?

公益社団法人畜産技術協会の初生雛鑑別師養成所に入所し、一定期間の講習を受講。
研修生として数年実務を経験し、同協会の予備試験と高等考査に合格することで資格を得ることができます。

入所には満25歳以下であること、視力が1.0以上(矯正可)であることなどが求められます。

ちなみに同協会では年1回、100羽を識別するスピードを競う「全日本初生雛雌雄鑑別選手権大会」が行われるそうで、これまでの最高は第21回大会(昭和55年)で打ちたてられた「100羽を3分間で100パーセント正解」という記録だそう。

計算すると、1羽あたり2秒弱という速度。
凄い!

近年は徐々になり手が減っているという鑑定士。本業とは別に副業で行っている人もいるといいます。私も若ければ目指したかったかも!?

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