江戸末期から明治にかけて活躍した落語家・三遊亭圓朝。
同展覧会に並ぶのは、三遊亭圓朝が怪談創作の参考に集めていた幽霊画で、伝・円山応挙とされるもの、柴田是真、鰭崎英朋、伊藤晴雨、河鍋暁斎などの著名な画家たちの作品。

幽霊と聞くと、“怖い”というイメージが強いですが、さすがに名を馳せた画家たちの作品なだけあり、背筋が冷んやりとするだけでなく、妖艶さや儚さも感じられる幽霊たちの姿が印象的です。圓朝に少なからずインスピレーションを与えたことでしょう。
これらの絵画は、現在は圓朝の墓所がある全生庵が所蔵しており、毎年8月の1カ月間のみ特別公開しています。

さらに、今年は、8月3日(土)に「幽霊の怨返し ― 落語にみる情愛」と題した記念イベントも開催。
ゲストには、昨年NHKでドラマ化された大人気漫画『昭和元禄落語心中』の作者・雲田はるこさん、落語家・金原亭馬玉さんを迎え、三遊亭圓朝が幽霊画を多くコレクションしていた理由や、なぜ落語には幽霊がよく登場するのか、といったことを通して、人々が「幽霊」に見た意味と、そこから受け取る「生」への学びについてを考えます。
当日は、金原亭馬玉さんによる怪談落語『死神』、平井住職による幽霊画解説もあります。
他に、全生庵では8月は「谷中圓朝まつり」として、寄席など多くのイベントを開催予定です。

谷中は70以上の寺社が集まる寺町。また、周辺には、レトロな建物や老舗、史跡などが点在し、のんびり散策を楽しみむのにはぴったり。
■谷中圓朝まつり幽霊画展
- 会期:2019年8月1日(木)~2019年8月31日(土) ※土日祝祭日も開催
- 開館時間:10:00~17:00(最終入場16:30)
- 拝観料:500円
- 公式ホームページ
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