各所で「免疫力を上げよう!」と叫ばれている新型コロナウイルス対策。その際、真っ先に見直すべきは薬の服用でした。
感染経路が詳しくわからないこともあり、私たちの不安をあおり続けている新型コロナウイルス。
「今、何がいちばん重要かというと、“重症化させて人命を落とさない”ということです。免疫力をしっかり維持しておけば、たとえ感染しても、やがて治ります。そのためにも、体の機能を衰えさせるような薬は、できるだけやめたほうがいいでしょう」
こう話すのは、薬剤師の宇多川久美子さん。安易に薬を飲むことで、不用意に免疫力を下げてしまうことを危惧している。
「まず、ウイルスへの“感染”と“発症”は別問題です。手についたウイルスが口に入り、のどの粘膜に付着して初めて感染したことになるので、ウイルスを付着・定着させないためには、手洗い・うがいが大切です。でも、たとえウイルスが体内に存在しても、免疫力が勝っていれば、発症することはありません。これが“陽性でも症状がない”ということなのです」(宇多川さん・以下同)
今、医療現場で従事者たちが予防として行っているのは、“頻繁にお茶を飲むこと”なのだそう。
「お医者さんたちは、ひとり診療を終えるたびにお茶を飲んでいます。
そのためにも、まずやめておきたいのが胃薬だという。胃酸を抑えたり、中和させるための薬を服用すると、みずからのウイルス防御機能を薄めてしまうことになる。ちょっとした胃もたれ程度であれば、服用を控えたい。ほかにも今やめるべき薬がある。
【抗生物質】
腸内細菌を殺し、免疫力を下げてしまう。ペニシリン系抗生物質、セフェム系抗生物質、マクロライド系抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌薬など。
【鎮痛剤】
痛みのもとであるプロスタグランジンを抑える際に、血流を悪化させ、免疫力も下げる。ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェン、インドメタシン、イブプロフェンなど。
【解熱剤】
痛みと同様、発熱の原因物質でもあるプロスタグランジンを抑えることで、血流が悪化する。イブプロフェン、アスピリン、エテンザミド、ロキソプロフェンナトリウムなど。
【ステロイド】
副腎皮質の機能が抑えられ、免疫力まで低下してしまう。プレドニゾロン製剤、メチルプレドニゾロン製剤、デキサメタゾン製剤、ジフロラゾン製剤、ベタメタゾン系製剤など。
また、宇多川さんは、今回の新型コロナウイルスで非常に多くの人が神経質になり、それがストレスとなっていることを懸念する。
「ストレスは、「免疫力を下げる、血圧や血糖値を上げる、胃のけいれんを起こすなど、あらゆる疾患を悪化させる最大の要因です。過去にマーズやサーズが現れたように、これからもきっと、次なるウイルスが登場するでしょう。そのたびに慌てていては、心身がもちません。ふだんから免疫力を高める生活を心がけ、すぐに薬に頼らない体をつくっておくことが大切です」
特に、厚生労働省もそのリスクを警告している高齢者の多剤服用。6錠以上服用している人は、少しずつでいいので、今から減らすことを考えてほしい。
「まずは主治医に相談し、それぞれの薬を4分の1量ずつ減らします(錠剤の場合は、くだいて量を調整)。1~2週間、様子をみて、問題なければ、さらに4分の1量を減らして元の半分にし、症状が悪化したら戻してかまいません」
あせらず、長いスパンで。でも確実に、次の新しいウイルスにそなえるためにも。減薬生活へとシフトする時期に突入している。
「女性自身」2020年3月24・31日合併号 掲載