「われわれはいや応なく新型コロナウイルスとともに生きていかなければならない。その意味で『ウィズ コロナ宣言』を行いたい。

新しい日常を皆で作っていく」

5月30日まで感染者が5日連続で10人を超え、29日は22人と増加の傾向を示している東京都。その中で「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ」のステップ2に移行すると発表した小池百合子都知事は、感染防止策を前提とした「新しい日常」を作る必要性を訴えた。

「東京都は居酒屋を含む飲食店に、5~20時までの営業短縮、酒類の提供は19時までと要請していました。6月1日以降の『ステップ2』では、営業時間は5~22時、酒類の提供も22時までに延長されます」(全国紙記者)

大阪の吉村洋文府知事も同じく6月1日から、クラスターが発生したバーやライブハウスなどへの休業要請を全面解除する。

「日本中が自粛解除となるなかで、5月29日、北九州市で1日の感染者が過去最多の26人を記録。23日からの1週間で計69人の感染者発生を受け、北橋健治市長は『第2波の真っただ中にいると認識している』と、封じ込めに全力を尽くすと表情を引き締めていました」(前出・全国紙記者)

海外でも揺り戻しが起きている。

「韓国では規制緩和直後の5月初旬にソウルのナイトクラブで集団感染が発覚し、5月28日には新たに79人の感染が判明しました。そのため、政府は29日からソウルを含む首都圏で再度、外出自粛を要請せざるをえなくなりました」(韓国在住ジャーナリスト) 冒頭のように自粛解除で専門家が憂慮するのは、なんといっても「飲食店でのクラスター」なのだ。実際、日本全国で飲食店での感染報告が相次いでいる。ファストフード店やカフェチェーン店、居酒屋、パブなど合計46店舗にのぼる。

「大多数は従業員が感染したと報告したもので客の集団感染が起こったのは宮城県内のパブでした。ただ、飲食店が正式に報告する以外に、飲食店で友人・知人との飲食を通じての感染事例は相当数あります」(前出・全国紙記者)

帝京大学大学院公衆衛生学研究科の高橋謙造教授によると、今、気になるのは若い世代によるクラスターが目立つことだという。

東京都の5月29日の新規感染者22人のうち、20~30代が11人と半数を占めている。

「中国の安徽省で発生したクラスターでも、16~22歳の若い世代が感染を広げていました。 同窓会的な集まりで拡散したのですが、同じお皿に盛られた料理の共有が原因のひとつで、テーブル単位で感染が拡大したようです。基本的に若い彼らは無症状だったようですが、新型コロナの悪質なところは、そういった無症状者が感染を広げるところなんです」

「女性自身」2020年6月16日号 掲載