1月23日、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、感染防止対策の臨時特別協力要請案を示した山梨県

産経新聞によると、長崎幸太郎知事(53)は「感染対策を取りながら、経済・社会を回していく方針は変わらない。

全国一律の対策ではなく、地域の実情に沿った対策を進める」と述べ、政府に対してまん延防止等重点措置の適用は要請しない考えを示したと報じられている。

その一方で、ワクチン未接種の県民に対しては2月13日まで不要不急の外出・移動を控えるよう要請する案も盛り込まれており、ネット上では次のように物議を醸している。

《これはダメだよ…事情があって接種出来ない人だっているんだし》
《接種できない人もいるんだから買い物とか誰か行ってくれるのか》
《ワクチン未接種者に対する、差別ですか?》

■「ご健康を守ることが趣旨」

果たして、ワクチン未接種者に限定した外出自粛の要請にはどのような意図があるのだろうか? 1月24日、その真意を確かめるべく山梨県知事政策局に話を聞いた。

担当者によれば、すでに何件も問い合わせの連絡が入っているといい、“差別ではないか”との声が上がっていることは承知しているという。

ーーなぜワクチン未接種者の方だけ外出自粛の要請が出されるのでしょうか?

「趣旨としてはですね、ワクチンの2回接種を終えていない方というのが、感染の度合いが高いということが調査でわかっております」

ーーそれはオミクロン株についてですか?

「オミクロン株についてかどうかは不明ですが、感染者の割合で言うと、2回打っていない方と打っている方では差があります。打っていない方の感染度合いが高いので、ワクチン接種を終えていない方が感染しないようにという趣旨です。まずはご自身を守っていただくという趣旨で、不要不急の外出移動の自粛をお願いしたということです」

ーー長崎知事の「感染対策を取りながら、経済・社会を回していく方針は変わらない」という発言を、“ワクチンの接種を終えた人で社会を回そう”と捉える人もいます。その点についてはいかがでしょうか?

「そういう話ではないのです。ワクチンを打っていない方も含めて、経済と感染対策の両立ができる状況を早く取り戻したいという思いから、このようなお願いをしております。決して、限定したかたちで上手くやっていこうという趣旨ではありません」

ーーどのような根拠に基づいて要請を出されたのでしょうか?

「ワクチン2回以上接種された方々の発症率が0.15%。2回までの接種を終えていない方々の発症率が0.29%となっておりまして、接種回数が2回未満の方の発症率が高いことから、ワクチン未接種の方には気をつけていただくことと、人が集まるようなところへ行くと感染しやすいということが心配されますので。それで、その方々のご健康を守ることが趣旨で、協力の要請をお願いしています」

ーー上記の数字の基になったデータについて教えていただけますか?

「(山梨県の)感染症対策グループでの集計結果でございます」

ワクチン未接種者を差別する意図はないとキッパリ否定した山梨県。

果たして、その思いは県民に届くのだろうか。

編集部おすすめ