「木村(拓哉)さん演じる信長の歴史の中に、蘭丸として居させていただけたことがとても光栄でした。撮影期間中にも、京都にある蘭丸のお墓やゆかりのある場所を訪ねたりして、彼の生きざまを肌で感じながら演じさせていただきました」

そう話すのは、映画『レジェンド&バタフライ』(1月27日全国公開)で織田信長の寵愛を受けた森蘭丸を演じている、八代目市川染五郎(17)。

「クランクインが、悪夢から覚めた信長に押し倒されるシーンの撮影だったんです。そのときの木村さんは魔王のようなオーラがあって、すごい気迫を感じました。撮影の合間にいろいろと話しかけてくださったり、殺陣のアドバイスをしていただくなど、とても優しくしてくださいました」

昨年は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出演し、歌舞伎以外の俳優業も話題となった。今年3月には18歳になり、新成人となるがどんな思いがあるのだろうか。

「昨年は、初めてセリフのある女方も務めさせていただきました。これからもいろんな役に挑戦していきたいですね。

プライベートでは、早く車の免許を取りたいです」

歌舞伎俳優となって13年間。さまざまな苦労もあったはずだが、いま心の支えになっているのが、愛犬ニッキーの存在。

「僕が家に帰ったら跳びはねて迎えてくれます。癒しですね。毎日寝る前、ニッキーにその日の出来事を全部話しています。マイペースな子なので、僕が話していることをわかっていないような表情をしていますが、それも魅力の一つ。

本当は一緒に寝たいのに、暴れてしまうのでその夢はまだかなっていません(笑)」

とほほ笑ましいエピソードが。

最後に、いまいちばん楽しいと思っていることを聞いてみると――。

「歌舞伎の舞台に立っていることですね。あとは料理をすること。ゆうべは鶏肉のすき焼き風とエビしんじょの若竹汁、たけのこと大葉のご飯を作りました」

何もかも完璧すぎる17歳でした。