「キャー! 八神ママ怖かったぁ~て、私やん」

1月31日、自身のツイッターを更新し、自らの演技に“ツッコミ”を入れたのは女優・羽野晶紀(54)。NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』での羽野の演技が話題を集めた。

「彼女が演じたのは、医師・八神蓮太郎(中川大輔)の母・圭子でした。息子の婚約者・久留美(山下美月)との顔合わせの場に単身で現れ、『単刀直入に申し上げますわね。蓮太郎とあなたの婚約はなかったことにしていただきます』『今後一切、息子とは関わらんといてくださいませね』などと宣告したのです。

“イヤミな姑”の演技に視聴者たちは衝撃を受けるいっぽうで喝采を送りました。『(羽野の姑の)セッチーをほうふつとさせる演技だった』という声も多かったようです」(テレビ局関係者)

羽野が’02年1月に狂言師で“和泉流二十世宗家”の和泉元彌(48)と結婚してから、すでに21年がたつ。

「長女・和泉采明(20)も長男・和泉元聖(18)もすでに狂言師として活躍しています。

羽野自身の女優としての活動も順調です。今春にはドラマ『なにわの晩さん! 美味しい美味しい走り飯』(ABCテレビ)が放送される予定で、夏公開予定の映画『1秒先の彼』にも出演します」(前出・テレビ局関係者)

かつて羽野とセッチーこと和泉節子さん(80)の“嫁姑の確執”が注目されていた時期があった。

「’15年にバラエティ番組で、彼女自身が節子さんとの関係を明かしたことがあります。結婚当初に“嫁の心得七カ条”を突き付けられたという報道に関しては否定しましたが、芸能界の仕事を辞めるように言われたことは認めたのです。『芸能人のお嫁さんをもらうつもりはないのでと言われました』と、語っています」(前出・テレビ局関係者)

節子さんにとって“嫁の活動より、和泉流宗家の活動のほうが断然上”という思いは強固のようだ。昨年の週刊誌のインタビューには次のように語っていた。

《悪いけど、元彌と羽野晶紀の仕事は違いますから。関西では“羽野晶紀”という名前を聞くことがあるかもしれませんが、関東で羽野晶紀なんて聞いても“フ~ン”みたいなもんでしょう。それに比べて“和泉元彌”は一応、全国区ですからねッ!》(『週刊女性』’22年7月5日号)

■和泉節子さんに嫁・羽野晶紀の演技について聞くと――

もっとも元彌と羽野は、いまでは収入が逆転しているのではないかと見る向きもある。伝統芸能にも詳しい芸能ジャーナリストはこう語る。

「羽野は女優業や清涼飲料水の広告のイメージキャラクターのほかにも、情報番組『ごきげんライフスタイル よ~いドン!』(関西テレビ)に週1回レギュラー出演をしています。

関西のローカル番組ですが、ギャラは1回15万円以上といわれています。

元彌はかつて大河ドラマの主演まで務めましたが、’02年にはダブルブッキング騒動などでイメージがダウンしてしまい、いまは民放のドラマ出演から遠ざかっています。

“本業”である狂言の舞台も、コロナ禍のために開催回数が激減しています。姉や子供たちなど一家そろって出演する舞台でも、座席数は200席ほどです。いまや収入的には和泉元彌一家の大黒柱は羽野になっていると思われます」

元彌の実家である和泉流宗家の近年の台所事情はけっして楽ではないようだ。和泉流宗家の事務所兼節子さんの自宅とされる建物は東京都内にあるが、不動産登記簿謄本によれば、’06年から’18年の間で複数回にわたって、都税事務所や国税局から差し押さえ通知を出されていたのだ。

羽野が嫁入りして22年目の今、はたからは逆転したようにも見える嫁姑の力関係。

嫁の立場からすれば快哉を叫びたくなる状況だろうが、節子さん自身はどう考えているのか? 本誌は電話で節子さんの思いを聞いた。

――朝ドラに出演した羽野さんの演技が話題になりました。ご覧になりましたか?

「私は忙しいので見ていませんが、親しい知人が詳細に教えてくれました。その話を聞く限り、あまり上品な演技ではなかったようですね」

――以前、ご自宅が何度か差し押さえの通知を受けていたようですが?

「私の主人が他界したのは’95年。それから28年になりますが、男社会の伝統芸能の世界で、女の私が和泉流を守ってくるのは並み大抵の苦労ではありませんでした。主人の妹が借金を作ってしまい、その返済も必要だったなどの事情もありますし、コロナ禍のためにまったく公演のできない時期もありました。

はっきり言えるのは(通知を受けた後に)きちんと対処をし、(差し押さえの)実行にはいたらなかったということです」

登記簿によれば、最後の差し押さえ通知は’20年に解除されている。

「4人の孫たちも立派に育ち、いまや和泉流宗家も花盛り。これからも伝統を守っていきます」

力強い節子さんの言葉からは“まだまだ嫁には負けられない”という気概も伝わってきた。