幽霊、転生……ファンタジックな設定が多い今年の冬ドラマ。本誌ドラマウオッチャーたちが注目しているのは、演技派女優の熱演ぶり! そんな寒い夜にじっくり見たい作品をご紹介します。

題して、「女性による女性のための2023冬ドラマ座談会」――変化球ドラマで女優の名演が光る!

20代編集K(以下、K):1月ドラマはバリエーションがあるなかでも、ラブストーリーが話題ですね。

40代記者H(以下、H):『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系・火曜22時~)は、映像がキレイよね。永瀬廉(24)が広瀬すず(24)をおんぶする夜のシーンとか、映画みたいに美しいなあって。

60代記者N(以下、N):北川悦吏子さんが描く田舎娘を、完璧に演じるすずちゃんが素晴らしい! 方言も滑らかで、今期の主演女優賞をあげたいですね。

30代記者S(以下、S):音楽の道を志す永瀬くんのキャラクターもハマってますよね。感情をあまり表に出さない役は彼の雰囲気にピッタリ!

K:吉高由里子(34)の『星降る夜に』(テレビ朝日系・火曜21時~)は、冒頭のキスシーンに驚きました。

S:本当、いきなりだったよね(笑)。でも、今回の北村匠海(25)って、出会ってすぐチューしちゃっても納得できる色気がありますよね。“雄(おす)み”っていうか。

H:10歳年下でも男らしいし、恋しちゃうのはわかるなあ。また、産婦人科医役の吉高由里子の演技も説得力があるから、すぐに物語に入り込めました。

K:人間ドラマとしても見応えがあると思います。

井上真央(36)主演の『100万回言えばよかった』(TBS系・金曜22時~)も、最初、佐藤健(33)が幽霊になっちゃうとかどうなんだろう? と思ったけれど、関係性の深掘りが丁寧で、まったく気にならないです。

S:松山ケンイチ(37)も、うだつの上がらない刑事役がハマっていますよね。幽霊の佐藤健に乗り移られたときと戻ったときの演じ分けもすごい。サスペンス的な要素もあって、展開がかなり気になります。

K:死んだ人つながりでは、安藤サクラ(36)主演の『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系・日曜22時30分~)がめちゃくちゃいいですね!

N:サクラちゃん、天才! バカリズムの脚本がすごすぎるし。

H:親友役の夏帆(31)や木南晴夏(37)との女子会のシーンとかリアルだよね。

S:たまごっちやmixiなど、懐かしネタも同世代にはたまらない!

H:生まれ変わりを繰り返すなかで、伏線をちりばめつつ回収していく。昔の恋人の松坂桃李(34)がなぜ、10億円を稼ぐ男になったのか、早く知りたくない?(笑)

N:目が離せないといえば、『罠の戦争』(カンテレ、フジテレビ系・月曜22時~)ですよ。草彅剛(48)が演じる代議士秘書の頭の回転が速すぎて、ついていけない(笑)。

H:草彅の平静のときと、怒ったときの表情が全然違って、うまいなあって。

K:櫻井翔(41)が刑事を演じる『大病院占拠』(日本テレビ系・土曜22時~)も伏線回収のスピードが速いですよね。どんどん謎が解明されていく。

S:翔くんのアクションも新鮮。あんなタフな役は今までやったことがないんじゃないかなあ。あと、妻役の比嘉愛未(36)の演技が光っていると思います。

■医療&刑事ドラマは個性派ぞろい

N:今期は、女優さんたちの演技の素晴らしさが目立っていますね。

H:私は、『女神の教室~リーガル青春白書~』(フジテレビ系・月曜21時~)の北川景子(36)のお芝居が好きです。ロースクールの教員役で、まっすぐ生徒の心に寄り添う姿が素敵だなあって。

S:山田裕貴(32)が演じる先生が、見た目も個性的だから、対照的で面白い。

N:あのクセの強さ、たまらない(笑)。

K:『リバーサルオーケストラ』(日本テレビ系・水曜22時~)の門脇麦(30)もいいですよね。元天才少女のバイオリニスト役ですが、過去のトラウマや不安に心が揺れる姿がリアルで。

S:田中圭(38)の指揮者もカッコいいですよね。音楽ものは癒されます。

H:気楽に、リラックスして見られるドラマっていいよね。菜々緒(34)と鈴木伸之(30)が夫婦を演じる『忍者に結婚は難しい』(フジテレビ系・木曜22時~)は毎回、夫婦“あるある”に共感しながら、忍者話も面白く見ています。

S:お互い忍者と知らずに夫婦になった設定は、ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの『Mr.&Mrs.スミス』みたいですよね。あんな対決が早く見たい!

K:今期は作品のバリエーションが豊富ですよね。堤幸彦監督の『Get Ready!』(TBS系・日曜21時~)は仮面をかぶった闇の医療チームの活躍を描いていて、かなり異色。

N:「Get Ready!」の合図やエースって呼び名が一見、特撮ものみたいだけど、“生きる価値とは?”という深いテーマが日曜劇場らしいです。

S:『警視庁アウトサイダー』(テレビ朝日系・木曜21時~)の演出は、堤幸彦作品で助監督だった木村ひさしさんなので、こちらも異色ぶりでは負けてない。クセのある人物設定や小ネタに、『SPEC』っぽさもあります(笑)。

K:西島秀俊(51)と濱田岳(34)コンビは、木村監督の『シェフは名探偵』のときからですよね。コミカルな演技と重厚感のある演技、両方見られるのがいいですね。

H:『リエゾン-こどものこころ診療所-』(テレビ朝日系・金曜23時15分~)は、発達障害をテーマにしているところがチャレンジングだなあって。自身も発達障害がある医師役の山崎育三郎(37)と、ADHDの研修医・松本穂香(26)、2人の演技に毎話泣かされています。

K:脚本は、『Dr.コトー診療所』の吉田紀子さんなんですよね。今期は『星降る夜に』の大石静さん、『100万回言えばよかった』の安達奈緒子さんなど、ベテランの脚本家が新しい切り口に挑んでいる作品が多い気がしますね。

【本誌ドラマウオッチャーおすすめトップ3】

60代記者N:1位『ブラッシュアップライフ』/2位『罠の戦争』/3位『夕暮れに、手をつなぐ』
40代記者H:1位『罠の戦争』/2位『100万回言えばよかった』/3位『リエゾン』
30代記者S:1位『ブラッシュアップライフ』/2位『女神の教室』/3位『夕暮れに、手をつなぐ』
20代編集K:1位『ブラッシュアップライフ』/2位『100万回言えばよかった』/3位『罠の戦争』