「騒動によって事務所を辞めました。仕事の量も激減し、収入なんて全然ないです(笑)。
こう語るのは、TKOの木本武宏(51)だ。’22年7月、FXや不動産の巨額投資トラブルが発覚した木本。30年以上にわたり所属していた事務所を退所後、今年1月23日には謝罪会見を行った。そこで木本はトラブルによって発生した借金の総額は「最大時で約4億円」と明かし、「いろんな協力を得て、3分の1程度に収まっています」と説明していた。
会見からちょうど2カ月。木本は生活の“変貌ぶり”についてこう語る。
「今まで『お肉買おうか』と思ったとき、めちゃくちゃ高いものでなければ値段を特に見ないで買っていたんですね。野菜に関しても、“いいもの”を置いているスーパーにわざわざ行ったりして。でも、今は全然できないですね。
例えば食材がいつまでも冷蔵庫に残らないよう、すぐ全部使い切ることを心がけています。『余っているもので、今日は何を作れるか』って考える生活に変えて。あとは僕、コーヒーが好きなんですけど、いつものコーヒー豆すら無駄な消費なんでやめておこうと。
そこでネットを探したら訳あり商品のコーヒーで、すごい安いやつがあったんで。それを多めに買ったりしています。次第に、訳あり商品ばっかり集まっているアプリをめっちゃ落としていて。お陰で生活費はめっちゃ削れていますね。もちろん、外食なんてしないですよ」(以下、カッコ内は木本)
木本家では、光熱費にも敏感になっているという。
「いやー、電気つけなくなりましたよ! 家中を電気で明るくしておくのが好きやったんですけど、してる場合じゃないですし。真夏でも冷房はなるべくつけないようにしていました。あと、ガスは基本的に弱火ですね(笑)。
■サウナに行ったらテレビに自分が…謝罪会見翌日のハプニング
また、ペットも倹約生活に協力しているようだ。「今まで犬のおやつにはひと月5000円くらいの、骨つきの鹿肉のおやつをあげていたんですよ」と木本はいう。ところがーー。
「それも辞めてホームセンターに売っているような、なるべく長いこと噛める上に値段の安いやつに切り替えました。『今日からこれで行くから』と言って渡して(笑)。そしたら、ワンちゃんは尻尾ガーッと振ってずーっと噛んでいました。
『なんや、これでもよかったんや』とか笑っていたら、翌日からお腹壊して。もう動けないくらい元気なくなって……。それだけ、ジャンキーなものを与えてなかったわけですよ。いいやつばっか買ってあげていたから、貴族みたいな体になっちゃったんです(笑)。
結局、また鹿肉のおやつを買いました。でも、その代わりに以前は1本丸ごと与えていましたが今は四等分にしてあげています。1カ月分で4カ月もたせています(笑)」
1カ月の生活費は25万円程度。騒動以前に比べると「ひと月で75万円ほど生活費を減らしています」と明かす木本。また以前は週4ペースで通うほどのサウナ好きで、好きが高じて自身のYouTubeチャンネルでは各地のサウナをたびたび紹介していたが、「サウナに行くなんて今の僕には贅沢」と話す。
「それでもリフレッシュが必要なんで、“サウナは月に一回”って決めています。どうしても行きたくなったら、家で湯船をめちゃくちゃ熱くして汗を流して。汗が出にくかったら傘をさして。それで水のシャワーをバーって浴びたら、若干ととのうんです。“偽サウナ”です(笑)。でも、今の生活の中で『節約ってこんなに頭使うんだ』という気づきがあって。楽しめているというと不謹慎かもしれませんが、ちょっとずつ板についてきましたね」
それほど愛するサウナだが、実は会見の翌日に思わぬ“ハプニング”が起きていた。
「謝罪会見をするまでサウナに全然行ってなかったんですよ。騒動の最中にサウナに行って、水風呂入って、ととのおうとして椅子に座っているところを他の人が見たらどう思うんやろうと。僕やったら、『何しとんねんお前、そんなことしとる場合ちゃうぞ』って思うはずなんですよね。で、ウズウズしてたんですけど、会見が終わった次の日に『伝えることは伝えたし、もう何を思われてもいいや』という気持ちだったので、真昼間にいつものサウナに行ったんです。
それでサウナ室に入ったら、6人くらい男性がいて。やっぱりすぐ、気づきはるんですよ。それは仕方ないと思っていたら、僕、忘れていたんですよね……。サウナ室にはテレビがあったんですよ(笑)。昼間でしょ、ワイドショーでは前日の謝罪会見がガンガン流れていました(笑)。『TKOの木本さんが記者会見を開いて……』って言ってね(笑)。
『恥ずかしいし居づらいなぁ』と思っていたんですけど、皆さん気づいてるわけですよ。だから今サウナを出るのも“あからさま”やしと思って、終わるまでとりあえず入っておこうと。
■借金地獄のどん底時代に結婚…妻は働いて支えてくれた
騒動以来、人生が一転した木本。そんな木本を支えているのが妻のAさんだ。2人が出会ったのは高校の入学式のとき。一目惚れをした木本が一年半ほど口説き続けた結果、高二の夏に交際関係に発展し、30歳の時に結婚。二人の仲はかれこれ35年にも及ぶ。
「僕が投資に手を出したのは、収入の柱がもう一つ欲しいと思ったからなんです。芸人という仕事を選んだのは自分なのに、50歳になって今後の生活に不安を感じてしまって。奥さんにも投資の話をちょくちょくしていて、その度に『それ大丈夫なん?』って心配されて。でも、僕は多くを伝えませんでしたし、『大丈夫や』と。
トラブルを抱えていると打ち明けることに決めた日、『35年の仲でもさすがに今回は厳しい反応をされるやろうな』と覚悟していました。もちろん奥さんはショックを受けていましたが、でも『頑張るしかないよね』って。僕に見切りをつけるわけでもなく、『これで隠す必要がなくなったんやから、解決のために集中できるやん』って背中を押してくれて……」
木本とAさんは、これまでも夫婦で困難を乗り越えてきた。いわば“戦友同士”でもある。
「TKOはデビュー時、けっこう順調やったんですけど、30歳になる手前くらいから仕事が徐々になくなっていったんです。でも、そのタイミングで結婚しました。レギュラー番組もなくなって、収入もどん底で借金地獄やって。借金はマックスで500万円。家庭の収入はほとんど奥さんが働いて賄ったもので、何とかギリギリで生活して。何年もそんな生活が続きました。
だから苦労をかけた分、“もう絶対働かさへん”って決めているんです。今回の騒動でも『働こうか?』って言ってくれたけど……。とりあえず、僕が限界までやると。もし今回の騒動で働かせてしまったら“申し訳ない”っていう気持ちがブワーって自分の中で膨らむやろうなって。それくらい僕も弱っていましたし、罪悪感に押し潰されるイメージしか湧かなかったんで。その分、僕が寝ないで働いたほうが気が楽やったんですよ。だから、騒動の間はいろんなアルバイトをしていました」
木本に「愛妻家なのでしょうか?」と尋ねると「んー、そうかなぁ? まぁ……。そうかもですね(笑)」と照れてみせた。
「TKOは東京進出に失敗し続けて、5回目の進出でなんとかなって。さらに今回の騒動があって。でも、奥さんは支えているというよりも信用してくれているっていう感じですね。『好きなことをやって。何とかできるやろ』みたいな。多分、僕が急に芸人を辞めると言っても『そうなんや』っていうタイプ。僕も信頼しているし、すごい好きやから……。いまだに毎日手を繋いで寝ているんです。騒動以来、奥さんの存在をより大きく感じるんですよね」
プライベートでの“相方”とも相性抜群な木本。愛妻とともに倹約生活はまだまだ続く。