「高倉健さんが僕の中に居てくれたので無事に完成までこぎつけました。健さんも喜んでくれているのかな、と思っています」

Netflixで独占配信中の映画『新幹線大爆破』で主人公・高市を演じている草彅剛(50)。

’75年に公開された映画『新幹線大爆破』のリブート版で、そのときに主人公を演じたのが高倉健さんだった。当時の写真と並べてみると、2人はどこか似た雰囲気を漂わせているように感じる。

「’09年に僕が自粛期間に入ったとき、いち早く事務所に手紙を持ってきてくれたのが健さん。落ち込んでいた僕はすごく励まされて、そこから文通が始まりました」

2人は’12年に映画『あなたへ』で共演。それが高倉健さんの遺作になってしまったが、クランクアップの際に「剛くん、また映画やろうね」と声をかけてくれたそうだ。もう一つ、忘れられないのが「俳優はちゃんと生きないといけないんだよ」という言葉。

「僕は妄想癖があるので(笑)、今も毎日、健さんと会話をしています。『ちゃんと生きる、ってどういうことですか?』『それはね剛くん、自分で探すんだよ』なんてふうに。映画『碁盤斬り』の撮影では、太秦で健さんの残像もお見かけしました。役づくりに悩んでいた僕に『ただ佇んでいればいいんだよ』とアドバイスもくださいました」

くしくも、高倉健さん主演の『新幹線大爆破』が撮影されたのは草彅の生まれ年。

「僕がおぎゃあ、と生まれたときに健さんが『新幹線大爆破』を撮影していて、すごくつながりを感じています。自分の心の中に健さんの優しさや人間味がどんどん降りてきて、唯一無二の高市役を演じられたと思っています」

樋口真嗣監督とは、映画『日本沈没』以来18年ぶりのタッグ。

「『剛くんまたやろうね』って言ってくださってから年月がたっていました。でも僕にとってベストな時期を狙ってこの役をくれたのかなと思っています。だから健さんLOVEと樋口監督LOVEによってできた作品なんですよね(笑)。感謝しかないし、僕はみんなに愛されていてありがたいことだなって思っています」

共演者との新しい出会いもあったようで……。

「運転士役ののんちゃんもギターを弾くんですよね。合間にはお互い大好きな斉藤和義さんの話をしていました。僕のYouTubeにも遊びに来てほしいし、コラボとかできたらいいなと思っています。お芝居は2~3時間で何かを伝えられるけれど、歌は3分くらいで心に残るものを届けられる。いつか自分でブルースを奏でられたらいいなと思っています。僕の人生の裏テーマ、将来はブルースギターマンになりたいんです」

【INFORMATION】

Netflix映画『新幹線大爆破』独占配信中

「爆弾を仕掛けた、100キロ以下になると爆発する」と犯人から電話が入り、新幹線の車掌・高市(草彅剛)が乗客の命を守り爆発を回避するために奮闘するノンストップサスペンスエンターテインメント。樋口真嗣監督によるVFXと特撮を融合させた大迫力の映像も見どころ。

ヘアメーク:荒川英亮/Eisuke Arakawa
スタイリング:細見佳代(ZEN creative)
衣装協力:ジャケット、パンツ、ネクタイ、コサージュすべてth products(ティーエイチ プロダクツ)

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