7月6日にフジテレビで放送された『検証 フジテレビ問題 ~反省と再生・改革~』。中居正広氏(52)と同局の元女性アナウンサー(以下Aさん)のトラブルに端を発する一連の問題をめぐって、関係者の証言などに基づいた1時間45分にわたる検証がCMも挟まず放送された。

今年3月31日にフジテレビの第三者委員会が公表した報告書では、中居氏のAさんに対する「業務の延長線上における性暴力」が認定されたほか、Aさんの被害を知りながら適切な対応を取らなかった局の上層部の責任も追及。中居氏の問題だけでなく、過去のハラスメント事案など局の不適切な実態も次々に明らかになった。

番組では、フジテレビ関係者への対面インタビューが行われ、港浩一元社長(73)や大多亮元専務(68)は、Aさんの被害を知った当時「プライベートな男女の問題」と事態を重く受け止めなかったことを謝罪したほか、中居氏の番組を継続させた判断について釈明。そのほか、局内の女性関係者へのインタビューでは、過去に港氏主催の会合においてが新入社員の中から見た目のよい女性メンバーが指名されていたという証言や、大多氏が会食の場で「女性アナウンサーは上質なキャバ嬢。ホステスで売れるアナウンサーが、いいアナウンサーだ」と述べていたという証言もあった。

このように、番組では一連の問題の当事者が複数登場していたが、最後まで姿が見られなかったのが、中居氏と元編成幹部の男性(報告書内でB氏)だ。報告書では、B氏をめぐっては、中居氏とAさんのトラブルに直接的な関与は認められなかったものの、報告書では入院中のAさんの元に中居氏からの「見舞金」を届けるなどしたことが、「女性への二次加害となり得る不適切な行為」と認定されていた。

「番組では、B氏を知るフジ関係者の証言として、B氏と中居氏の親密な関係性や、B氏の出世の背景に“特定のタレントとの距離が近い”といったことが紹介されるのみで、モザイクをかけた対面インタビューはおろか、番組を見る限りでは書面での聞き取りでコメントを取った形跡も見られませんでした。

フジテレビという組織の構造的な問題にメスを入れることが番組の目的であるため、中居氏が出てこないのはまだ理解できますが、B氏は被害女性への非違行為と、過去の女性社員へのハラスメント行為で6月に“4段階の降格”と“1カ月の懲戒休職”の処分を受けており、現在も同社の社員です」(スポーツ紙記者)

そのため、X上では検証番組にB氏と中居氏が登場しないことにこんな不満の声が。

《元編成部長B氏が出演し今回の件について一言でもあれば良かったのになと思うけどね》
《フジテレビの検証番組… B氏を中嶋とし、本人へのインタビューを、 中居正広へのインタビューを行わないと、不完全な内容…》
《フジの検証番組には当事者がほとんど出ていない。守秘義務対象外の中心人物、編成幹部すら出ていない。 全く無意味》

そこで本誌は7月7日、フジテレビ企業広報部の担当者に対し、中居氏とB氏に聞き取りを行わなかった理由を問い合わせたところ、以下の返答があった。

「検証番組はフジテレビにおける問題を検証するものであり、番組の趣旨を踏まえ、中居正広氏への取材の詳細について、説明は差し控えさせて頂きます。

またB氏に関しては、取材を行ってきた結果、ご覧頂いた放送内容となりました。取材の詳細についてはお答えできません」

はたして検証は十分と言えるのだろうか。

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