7月6日にフジテレビにて放送された、コンプライアンス問題に関する検証番組『検証 フジテレビ問題 ~反省と再生・改革~』。
中居正広氏(52)の同局の元女性アナウンサー(以下Aさん)へのトラブルに端を発する一連の問題をめぐる検証番組で、関係者の証言などに基づいた内容が1時間45分にわたり、CMも一切挟まずに放送された。
番組ではフジテレビ関係者への対面インタビューが行われ、港浩一元社長(73)や大多亮元専務(68)らが登場。Aさんの被害を知った当時「プライベートな男女の問題」と事態を重く受け止めなかったことを謝罪し、中居氏の番組を継続させた判断について釈明した。他にも、Aさんと会社の橋渡し役となっていた佐々木恭子アナウンサーなど一連の問題の関係者が登場したものの、肝心の中居氏はおろか、フジテレビが設置した第三者委員会の調査報告書で、トラブルへの直接の関与は認められなかったものの、《女性への二次加害となり得る不適切な行為》と認定された渦中の人物である元編成幹部の男性社員(以下B氏)の姿もなかった。
そのため、内容には“不完全”“検証になってない”といった批判が相次いだ。果たして、当のフジテレビ社員はどう感じたのか。あるフジテレビ関係者は言う。
「事前にざっくりと放送内容が漏れ伝わってきていて、渦中のB氏含め肝心の人物が出ないのがわかっていたので、ほとんどの社員が興味なしといった様子でした。佐々木アナをメインに関係者の思い出話ばかりで、検証なのに放送時間の尺が少なく、計画段階からどんどん尻すぼみになっていったことを聞いていたので、期待もありませんでした」
こうした局内での反応がある背景には、この関係者いわく7月10日に発令された人事の影響があるという。
本誌が入手した人事異動の資料によると、組織改編の目的として“コンプライアンス意識の向上”などが掲げられ、編成・制作部門の影響下にあったことが問題視されていたアナウンス室が独立。またバラエティ制作局などの制作部門は「スタジオ戦略本部」として再編され、編成機能は、営業やマーケティングなどを担う「コンテンツ戦略本部」のもと、コンテンツ投資戦略局が担うこととなった。フジテレビの“改革と再生”に向けた本気度が伝わってくるかと思いきや……。
「今回の人事は、まずは一連の騒動で懲戒処分を受けた人物たちの異動が優先。
不完全だった検証番組とともに、社員たちの“フジテレビ愛”も風前の灯のようだ。