毎週土曜日よる11時30分から放送されている『離婚しない男-サレ夫と悪嫁の騙し愛-』(テレビ朝日)が、テレビドラマ史上最恐にして怒涛の不倫展開を畳みかけている。
イケメン研究をライフワークとする“イケメンサーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、小学生レベルの下ネタに吹き出しながら、本作第6話を解説する。
藤原紀香の登場に一同騒然
前歯を折ろうが、指を折ろうが、つらくても、ただ一心に不倫現場への潜入を続け、動かぬ証拠をおさえる。そんな矢先、単なる不倫男ではなく、実は渉の同級生で強い恨みを抱くマサトが逆襲に打って出る。
彼が差し向けたのは、グラマラスな女性。綾香とマサトの密会場所だったマンションの隣室に引っ越してきたその人は、初っ端からあからさまな色仕掛で渉を誘惑する。
“舞妓はん不倫”への大胆な切り返し
玄関先。よろけたナオミを渉が抱きかかえたところへ、タイミング悪く(良く?)綾香が帰ってくる。ふたりの距離の近さにムッとした表情の綾香は、初対面のナオミに高圧的な態度でのぞむ。
彼女の家に上がり込んでいる既成事実
人がいいだけでなく、内心、学生時代に淡い気持ちを寄せた相手と似た仕草をするナオミにときめいちゃってる。
この既成事実と渉が集めた不倫の証拠を天秤にかけるなら、場合によっては前者が怪しくなってくる。すると、荷解きの途中でわざと転んでみせるナオミが、渉にかぶさった拍子にキス。だから言わんこっちゃない。
不倫舞台装置の大転換
マサトの父が大量に送ってきた沖縄土産のちんすこうをお隣さんに持っていってはどうかと綾香が促す。これも作戦の内。ナオミの目を盗んで隣室に潜入した綾香は、ベッドの下に潜り込む。
逆転劇とはいえ、ちょっと前までは、この部屋のソファ上でマサトと不貞を重ねていた。ある意味馴染みの場所に他ならないためか、不法侵入に躊躇はない。不倫舞台装置の大転換は、こうして首尾よく運ぶ。
小学生レベルの下ネタ連想
準備万端。あとは差し入れを持ってきた渉がうまく入室するのを待つだけ。ベッド下の綾香が固唾を呑む。玄関先。ちんすこうが大好きだとはしゃぐナオミが、なんだか妙に色っぽく発音する(そもそも名前からして谷崎潤一郎作『痴人の愛』の少女と同名!)。ちんすこう……。
パイとちんすこうの組み合わせ。これで“パイちんパーティー”だと命名する。いやぁ~、くっだらない。くっだらないけれど、ときにこういうのが最高に面白かったり。小学生レベルの下ネタ連想に、不覚にも吹き出してしまったのが恥ずかしい。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu