もしも夫の不倫現場を目撃してしまったら、あなたならどうしますか?

今回は、意外な場所で修羅場を迎えることになってしまった女性のエピソードをご紹介しましょう。

夫がいきなりイタリア語で歌を

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北野史奈さん(仮名・33歳/パン屋アルバイト)は、友成さん(仮名/37歳・Webデザイナー)は結婚して2年目になります。

「友成は基本的にリモートワークなのですが、家だとすぐ気が散り怠けてしまうので、カフェやファミレスで作業するのが好きみたいですね」

先日たまたま一緒にサイゼリヤに行った時に、友成さんがお店で流れているBGMに合わせて一緒にイタリア語の曲を歌い出して驚いたんだそう。


「『あまりに長い間サイゼで作業し続けていたら覚えちゃったよ』と、流暢にカンツォーネを歌うので笑ってしまいました。友成は全くイタリア語ができないのに、こんな本場みたいな発音ができるなんて…。よっぽど繰り返し何度も聞いたんだろうなと感心してしまいました」

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イタリア
そのように外に出る機会が多い友成さんは、いつも夕食を家で食べるかどうかをLINEしてくれるそう。

「こっちにも準備があるのでそれだけはしてねって言ってあるんです。逆に友成が夕食をいらない時は私も適当に済ませて楽をしたり、ひとりで好きな物を食べに行ったりして羽を伸ばしているんです」

近くのスーパー銭湯へ出かけると…

そんなある日、また友成さんから「今日は夕食、大丈夫です。仕事がはかどっているから、このまま作業進めるね」とLINEがきました。

「じゃあせっかくだし、近所にあるスーパー銭湯に行ってゆっくりお風呂に入り、そのまま食堂でご飯を食べようと思いつきました。
最近肩が凝っていて血流が悪い感じがしていたので」

しかし、スーパー銭湯に着いてみると、リニューアル工事中のため休業していたそう。

「ですが、なんだかどうしても諦めきれなくて、その他に近い施設を調べたら、まだ行ったことのないスパ施設が程よい距離にあったので電車に乗って向かったんです」

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サウナの写真
そして小ぎれいなスパ施設に到着した史奈さんは胸が躍りました。

「なんとそこには岩盤浴も完備されていたんですよ。なのでさっそく洗い場で体を清め、岩盤浴ルームにインしました」

聞き覚えのある声の正体

久しぶりの岩盤浴で気持ちの良い汗をかいていると、なにやら部屋の奥の方から聞き覚えのある声が聞こえてきたそう。

「何気なくそっちに顔を向けてみたら、カップルが岩盤に寝そべって手を繋ぎながらコソコソ話をしていて…。その男の顔を見たらなんと友成だったんですよ」

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不倫現場
部屋の中は薄暗かったですが、毎日見ている夫のフォルムはすぐに分かったそう。

「頭に血が上った私は、友成とその女の岩盤浴着を引っ張って無理矢理ロビーまで連れて行き『一体これはどういうことなの?説明してよ!』と詰め寄ったんです」

すると友成さんがしどろもどろで言い訳をし始めて、その会話の流れで、突然あらわれた史奈さんが彼の妻だと知った女性がショックで泣き出してしまいました。


「友成はその彼女に、自分は独身だと嘘をついていたんですよ。しかもよく聞いてみたら名前も歳も職業も全部いつわっていて…。最低男過ぎてめまいがしましたね」

夫の彼女の一言で頭が切り替わった

そして、とりあえず着替えて館内から出て腰を据えてちゃんと話をしようということになり、男女別れて脱衣所に向かったそう。

「そしたら、その彼女がロッカーではなく洗い場に行ってしまったので、ついて行って話しかけたら『いっぱい汗をかいたので洗わないと気持ち悪いんです。すみません、すぐ終わらせます』と、泣きながらも身体を洗い始めたんですよ」

たった今傷つけられてショックを受けているはずなのに、キチンと身体はきれいにしておきたい率直さと、自分を騙した男の妻にまで丁寧に接する彼女の人の良さに、史奈さんは胸がギュッとなってしまいました。

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銭湯
「話を聞いたらまだ26歳だっていうんですよ。友成は彼女に自分は30歳だと嘘をついていて『いずれ結婚しよう』とまで言っていたそうで、もうドン引きですよね。
本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまって」

彼女にすっかり感情移入してしまった史奈さんは、自分のお財布に入っていた2万円を「少ないけどお詫びの気持ちなので受け取ってね」と渡したそう。

「そしたら『奥さんの方こそ傷つけられて辛いのに、そんなことする必要ないですよ』と受け取らないんですよ。その瞬間に『なんで私も彼女もあんな男に傷つけられないといけないわけ?馬鹿らしい』というモードに頭が切り替わったんです」

離婚を決意

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ビジネスホテル
もう友成さんと顔を合わすのも嫌になってしまった史奈さんは、その晩はビジネスホテルに泊まりLINE電話で離婚したいと告げました。

「友成は、とにかく話し合おうと言ってきましたが『私はもう一緒にいるのが無理なので、明日荷物をまとめてとりあえず実家に帰ります』となんとか別居まで話を持っていったんです」

そして翌日、友成さんは出社日だったので史奈さんひとりで引っ越しの準備をしている時に…。

「ただ出ていくだけでは癪なので、友成の大事にしている家電を出来るだけ持って行っちゃおうと思いついたんです。友成はとにかく無類の家電好きで、特に高級な家電を思い切って買うことが快感らしく、そしてその使い心地の素晴らしさをSNSにアップすることに生きがいを感じているので」

掃除機や炊飯器に空気清浄機、電子レンジにトースターにドライヤーなどを次々に箱詰めして実家に送ったそう。

泣きながら電話してきた夫

「冷蔵庫とか洗濯機は大きすぎて面倒臭いのでやめておきました(笑)。
そして、そんな事態に気がついた友成が半狂乱で泣きながら電話をかけてきたので『家電がそんなに大切なんだ?私と彼女を傷つけても涙ひとつ流さなかったのに…』と嫌味を言ってやったらぐうの音も出なかったみたいで、ガチャ切りしていましたね」

その瞬間、やっと史奈さんの気持ちがスッと晴れたそう。

「友成は時間が自由な仕事なこともあり、ずっと好き放題浮気をしていたんじゃないかなと思います。今では無事に離婚して平穏な毎日を過ごしていますよ」と微笑む史奈さんなのでした。

<文/鈴木詩子>

【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。
著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop