東京都在住の主婦・美香さん(仮名・34歳)は、現在8歳で小学2年生の男の子のママ。ちょうど1年前の小学校入学を機に、思わぬ形である人と再会したことをきっかけにまさかの展開を迎えてしまったんだそう。
小学校に入学! 息子がつないでくれた縁
「私の息子は現在8歳。3年ほど前に元夫の不倫が発覚し、シングルマザーとなりました。1年前の4月に息子は晴れて小学生になり、同じクラスに仲良しのお友達が出来ました。息子が学校外でもお友達と遊びたいということで、そのお友達のお母さんとも繋がり、休みの日には親子でお互いの家を行き来したり一緒に公園に行くような仲になったんです」そう語ってくれた美香さんは、シングルマザーのため基本的には仕事が忙しく、息子は放課後学童に通っているそう。「休みの日は息子との時間を大切にしたい」と、土日は出来るだけ息子さんのお友達と遊んだり、親子でお出かけしたりしているそうです。
「息子の仲良しのお友達ママは、私がシングルマザーだということも知っており、私がどうしても仕事で遊びにつれていけない日には息子を一緒に遊びにつれて行ってくれることがあります。
『うちの子も遊びたいって言ってるし、全然預かるよ!』と声を掛けてくれることもあり、本当に良くしてもらっていました。そして、ママ友も昔離婚した経験があるそうで、シングルマザーだった時期もあるらしく、現在は子連れでの再婚だということも聞いていました」
帰宅した息子の驚きの発言に困惑……
あるとき、美香さんが土曜日に仕事に行かなくてはならなくなってしまい、美香さんの母親に息子を見てもらう予定になっていた日がありました。「その当日、ママ友から『今日うちに遊びに来ない?』とお誘いがありました。私が仕事に行かなければならない事情を伝え、断ったものの『息子くんだけでもおいでよ!』と誘ってもらい、母に預ける計画を中止して、息子だけお邪魔することになりました」
同じシングルマザー経験があるというママ友は、「シングルの大変さ、本当にわかる!」といつも声を掛けてくれたりと、息子を通じてこんなにも仲良くできるママ友に出会えたことが本当に嬉しく感じていたそうです。
「息子を迎えに行き、『楽しかった?』と聞くと、『すっごく楽しかった! あ、あと今日お友達の家にパパに似てる人が居たの』と言われ、話を聞いてみるとなにやら息子のパパ(元夫)がお友達の家に居たというのです……。
私は元夫には離婚してから一度も会っておらず、息子も会っていないので半信半疑でしたが、あの時は息子の話をこれ以上聞くのが怖くなってしまいました。
その後はこの話題に触れることなく日常を過ごしていたのですが、このあと衝撃の事実を知ることに。
嫌な予感が的中。世間の狭さにゲンナリ
息子さんとお友達は同じクラスなので、運動会でママ友にバッタリ会ったという美香さん。隣にはお友達のパパやおじいちゃんおばあちゃんも居たんだそう。
「息子が『あ! パパだ! やっぱりパパだ!』と大きな声で言ったことで、その場の空気は一瞬凍り付き、息子のお友達も『そうだよ! ぼくのパパだよ!』と言いました。
息子たちが居なくなってからママ友と話すことになり、『あなたの旦那さんは、私の元夫なの。そして、息子のパパ……』とすべてを話しました。するとママ友に『夫がバツイチなのは知っていたけど、子どもが居たことは知らなかった』と言われ、とても気まずい時間を過ごしました。私は元夫と既に別れていることもあり、その後も連絡を取り合うことはありませんでした。」
予期せぬ形での再会、その後の変化
ママ友が当時の不倫相手だったのか、などいろいろと気になる部分はあったものの、それ以上追及することはしなかったという美香さん。「もう離婚していますし、関係が悪化することや現実を突き付けられることも本当に怖くて、震えが止まりませんでした。
息子のお友達家族とも疎遠になったことから、あちらの家庭で何か話し合いがなされたのかは現在何も知らない状態ですが、息子には元夫は息子のパパでもあるけど今はお友達のパパでもあることを話しました。息子は『僕は大丈夫だよ』と一言だけ言ってくれましたが、息子に対しての申し訳ない気持ちだけが現在も残っています。」
子どもの入学を機に新たな出会いがあり、仲良しの親子が出来ただけでなく、予期せぬ形で元夫と再会をしてしまった美香さん。現在は子どもたちのクラスも離れ、息子さんは別のお友達と仲良くしているそうです。
<取材・文/鈴木風香 イラスト/ズズズ@zzz_illust>
【鈴木風香】
フリーライター・記者。