ハリウッド最強の「肉体派俳優」として知られるアーノルド・シュワルツェネッガー(76)。日本ではシュワちゃんという愛称で親しまれているが、屈強な役柄を演じることが多いからか、ひたすらタフなイメージが強い。
しかし実際には、心臓に持病があり、今年3月には4度目の手術を受けていたことが明らかになった。

あのアクション俳優と超絶不仲だった過去

 1980年代から90年代にかけて、アクションスターとして大活躍したシュワルツェネッガーとシルベスター・スタローン(77)。全盛期には互いに反目しあっていた2人が、このたびYouTube番組『TMZプレゼンツ・アーノルド+スライ:ライバルズ・フレンズ・アイコンズ』の共同インタビューに応じた。

 このなかで、「競争相手」と思える存在がいたことが、大きなモチベーションになっていたと語った2人。シュワルツェネッガーは、「それは間違いない。彼は私のキャリアにとても役に立った。追うべきものがあったんだ」「この喧嘩(けんか)は私が始めた。
口を開けば、バカなことを言い、競争心を煽っていた」と述べ、対抗心を燃やしていたことを明かした。

 一方のスタローンも、「彼が現れて、ようやくやる気が出てきたと感じた。あえて言うなら、競争相手であり、脅威であり、とにかく特別な存在だった」「彼を見て、『あいつをとっちめなきゃ。あいつは何も悪いことしてないけど、いつかやるんだ』って思っていた」と打ち明けた。

 1977年のゴールデン・グローブ賞で、映画『ロッキー』で作品賞を受賞したスタローンが、新人賞に選ばれたシュワルツェネッガーに花束を投げつけた……などというエピソードもある2人。けれども今となっては、こんな出来事も笑い話になっているという。


 かつてのライバル関係を超えて、友人同士となった2人。今では互いを尊敬し合っているそうで、シュワルツェネッガーは「僕も彼のように情熱的になりたい」と述べ、スタローンは「彼は物事をやり遂げる。そして本当に心が広い」と賞賛している。

胸に装置が……ペースメーカーを着けた自分を自らイジる

 伝説のボクシング映画『ロッキー』で青年ボクサーを演じたスタローンと同様、『ターミネーター』シリーズなど数々のアクション作品で屈強の役どころを熱演してきたシュワルツェネッガー。

 かつてボディビルダーとして活躍した彼は、年齢を重ねてもその頑強な肉体をキープ。数年前には、参加していたイベントで、男からいきなり飛び蹴りを食らったが全く動じることなく、それをものともしない超人ぶりが話題になった。

 見るからに強靭な肉体を誇る彼だが、実は健康問題を抱えていることを公表している。
3月25日には、配信されたポッドキャスト「Arnold’s Pump Club」で、再び手術を受けたことを告白。同月18日に行われた手術では、「ペースメーカーを植え込んだ」ことを明らかにした。

 3月28日には自身のSNSを更新し、世界中から届いたお見舞いや励ましの言葉に感謝するメッセージを投稿した。

「ありがとう! 世界中からたくさんの温かい言葉を受け取りました。ペースメーカーを着けたことによって、『FUBAR』シーズン2の撮影に影響が出るのではないかと多くの人が気にしているようですが、絶対に大丈夫。4月には撮影できる見通しです」

 昨年人気を博したNetflixドラマ「FUBAR」シーズン2の撮影も通常通り行われるということで、ファンもまずはひと安心だろう。


 また、この投稿にアップされた写真もユーモアたっぷり。時限爆弾? のような装置を胸部に着け、赤いワイヤーを耳に突っ込んで、ペースメーカーを装着している自分自身を自らイジッている。

手術を受けて「死にかけた」ことも

 大動脈二尖弁という生まれながらの心臓疾患があり、1997年、2018年、2020年にも手術を受けたことを公表しているシュワルツェネッガー。これまで病気について常にオープンに語り、術後の様子をSNSなどで公開している。

 2018年には、シリーズ最新作『ターミネーター:ニュー・フェイス』の撮影に入る数か月前に、心臓手術を受けて容態が急変し「死にかけた」とのちに明かしている。

 幸いなことに、今回は術後も順調な模様。3月18日の手術から4日後には、環境問題のイベントに参加できるほどまでに回復したという。


病気のことをあれこれ話すのは……

 ただ、自身の持病について世の中に発信することには葛藤もあるようだ。彼はポッドキャスト番組で再手術を告白した際、病気のことをあれこれ話すのは、「私の育ちに反する」と発言。生まれ故郷であるオーストリアでは、身体や健康のことなど個人的な問題は「全て自分の心の中にしまっておくべきとされている」と明かした。

 それでも、人々に自身の闘病体験を伝える理由について次のように語っている。

「私が手術について話すことで、病気に立ち向かう勇気と希望をもらったというメッセージをたくさんもらった」
「隠しておくこともできるけれど、私が話すことで、多くの人々が自身の健康問題に向き合うことができると実感している」
「あなたは決して一人ではないことを知ってほしい」

<文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>