しかし、ひょんなことから自分の気持ちが思いもよらぬ受け止め方をされていることを知り、仰天。義父母との付き合い方を見直すことにしました。
波風が立ちそうだったから「いい嫁」でいたかった

「夫がつい、口が滑らせたようで私が昔、キャバで働いていたことを顔合わせ前に義父母に言ってしまったんです……。顔合わせのとき、お義母さんからは『男性の立て方を熟知されている人だから結婚生活も大丈夫でしょうね』と、キツい嫌味を言われました」
そのまま、義父母と疎遠になる選択もありましたが、実の両親と不仲だったかなさんは愛した人の親とくらい仲良くなりたいと思ったそう。
なんとか距離を縮めようと、結婚以来、感謝の手紙を添えて、お中元やお歳暮などを贈り、夫婦で旅行に行ったときには必ず義父母にお土産を買い、持っていくなど、できる限りの歩み寄りをしました。
「印象が最悪で関係性に波風が立ちそうなことがわかっていたからこそ、できるかぎりいい嫁になりたい、認めてもらいたいと思い、頑張ってきました」
夫婦旅行のお土産を持っていっただけなのに…義父母の理不尽な怒り

何のことか分からない……。そう思い、「何がですか?」と尋ねると、義母は冷たく笑って、「そうやって、お土産を持ってくることだよ。私は贅沢な暮らしをしてますって、農家の私たちに遠回しに自慢してるんでしょ? それか、お父さんのご機嫌取りをして遺産でも狙ってる?」と言いました。
そんなつもりはない。
すると、2人の話が耳に入ったのか、リビングにいた義父も口論に参戦。「お中元もお歳暮も高そうなものばかり贈ってきて、どんだけうちの息子に金を出させてるんだ。夜の仕事で稼いだ金があるんだから、どうせ買うなら自分の金を使え!」と一方的な憶測でかなさんを責め始めました。
「私がキャバクラで働いていたのは、20代前半の頃です。お義母さんたちへの贈り物は、今の仕事(アパレル業)で稼いだお金で買っていましたし、夫婦ふたりで出し合っていました。そんなふうに受け取られているなんてビックリしました」
悪者にされた嫁が密かに描く「義父母への復讐」

何を言っても伝わらないのなら、もういい。仲良くなりたかったけれど、この先は関わりを持たないようにしよう。そう思い、かなさんはその場で「では、もうこれからは何も送らないようにしますね」と義父母に告げ、家に帰りました。
さらにその後、仕事から帰宅した夫の言葉で、義父母が後日こんなことを言っていたことを知ったのです……。
「かなさんね、夫の実家がこんな貧乏だなんて知ってたら結婚しなかったと言ってたよ。あの子、やっぱりお金目当てだよ。今からでも遅くないから別れなさい」
どうにか息子と嫁を別れさせようと、夫にこんな作り話まで吹き込んでいたことにかなさんはショックを受けます。
「夫は私を信じてくれましたが、それも面白くないのか義父母はその後も、私が悪者になるような作り話をして、なんとか私たちを別れさせようとしてきます。私たちはもう、ネタとして楽しんでいますね(笑)」
そう笑うかなさんですが、その心には強い決意がひとつあります。それは今後、何があっても義父母の面倒は見ないということ。
「夫も承諾済みです。あえて連絡を取り続けられる状態にしておいて、ここぞというときに見捨てる。それが私の復讐です」
かなさんが秘める“まさかの決意”を知ったとき、義父母はやっと自分たちがしたことや言った言葉の重みに気づくのかもしれません。
<取材・文/古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291