今回は前回に引き続き、筆者の友人で客室乗務員の桜さん(仮名・38歳)がこっそりと教えてくれた、婚活でも日常でも役立つコミュニケーションのテクニックをご紹介します。
着飾るのではなく、自ら素になることで距離感が縮まる
フライト中、客室乗務員から話しかけられた経験はありませんか? 客室乗務員は、お客様に対して、受け身ではなく自分発信で話しかけることも必要です。これを、業界用語で「ステップ・イン」と呼ぶそうです。実際に筆者がフライト中に体験したことですが、まだ小さな子どもを連れて飛行機に乗った際に、客室乗務員の方が笑顔で話しかけてきたことがありました。
「実は、今日は産休明けの初フライトなんです。お客様の赤ちゃんを見ていると、息子に会いたくなってしまいます。赤ちゃんは本当にかわいいですよね。でも、もし大変な時は、私たちにいつでも声をかけてくださいね」
客室乗務員の方が自ら身内話をオープンにしてくれたので、こちらも世間話がしやすかったことを覚えています。桜さんも「着飾るのではなく、自分が素になることで、お客様との距離感が縮まる気がする」と言っており、ほどよく自己開示して、相手も話しやすい雰囲気を作っているようでした。
距離感がわからなくても、自分から働きかければ距離が縮まる
婚活においてはどうしても「相手からの連絡を待つ」「デートの提案は男性にしてもらうもの」といった受け身の姿勢になりやすい傾向があります。特に女性側は「ぐいぐい行くと重いと思われるのでは?」「男性に主導権を握ってほしい」と考え、遠慮したり様子見したりしてしまうことが少なくありません。
そんなときこそ、自分から軽やかに「ステップ・イン」する姿勢が、2人の距離を一気に縮めるきっかけになります。
距離を縮める会話、どう切り出す?
たとえば、マッチング後の初デートでの会話。相手が緊張していて言葉数が少なかったとしても、「実は人見知りで、緊張しているんです」と、自分の気持ちを言葉にして伝えるだけで、場の空気がふっとやわらぎます。きっと相手も緊張していることが多いので、「僕もです」と共感してもらえると思います。
ちょっとした個人的な話、日常の一コマを伝えてみる
さらに効果的なのが、「ちょっとした個人的な話をシェアする」ことです。会ったばかりの人に個人的な話をしても興味を持ってもらえるの? と心配される方もいますが、自分のことなら話を広げやすく、そこから会話の糸口も見つかりやすいです。ここで「私の友達が~」とか「同僚が~」と第三者を登場させ、自分は知っていても相手は知らない人の話題にしてしまうと、会話が広がりにくいので気をつけましょう。

このように、自分の言動によって会話の流れや空気を作っていくのが、「婚活におけるステップ・イン」です。
出方を待っているだけでは相手を迷わせてしまう
「積極的にアピールする=重い女」ではありません。むしろ、自分が思っていることを伝えないほうが、相手を迷わせてしまうのが婚活のリアルです。自分のことを話したり、自分から会話の主導権を握るのは苦手という人もいるでしょう。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<文/田中亜依>
【田中亜依】
恋愛・婚活コンサルタント、デートコーチ。婚活歴10年、婚活に700万円を投資。マッチングアプリ、結婚相談所、合コンで600人以上の男性と出会い結婚。この経験を生かし、国内最大手結婚相談所にて「また会いたくなるデート方法」などのセミナー講師として活動。公式ホームページ/Twitter:@date_coach_ai/Instagram:@ai_tanaka1019