あなたは、パートナーとエアコンの設定温度が合わなくて揉めてしまった経験はありますか?

 今回は、暑がりの彼氏をもつ寒がり女性のエピソードをご紹介しましょう。

エアコンの設定温度が合わない彼、譲り合っていたけど

 松田夏実さん(仮名・29歳/派遣社員)は、お付き合いを始めて2年目になる彼・佐竹浩二さん(仮名・30歳/メーカー勤務)とエアコンの好みの温度が合いません。

「浩二はかなりのぽっちゃり体型だからかとても暑がりなんです。
それで、彼は冷房の温度を24℃に設定したがるんですが、私の好みは28℃なので……付き合いたての頃には、私が無理して合わせて風邪を引いてしまったことがあったんですよ」

「寒がりの私と暑がりの彼」エアコン温度のすれ違いで仲が深まっ...の画像はこちら >>
 すると申し訳なく思った浩二さんが夏実さんに合わせるようになり、しばらく汗だくの日々を過ごしたのですが……。

「とにかく浩二が熱中症になりそうで怖くて見ていられなくて。いっそのこと夏場は一緒の部屋で過ごすのはやめようか? という話にもなったのですが、それも寂しいし、お互いに歩み寄れるところを探したり、無理をしたらいけないラインなどを話し合い、なるべく一緒にいられるように努力しようということになったんです」

 そして基本的には浩二さんの温度設定に合わせ、夏実さんが厚着をしたり、寝る時は羽毛布団をかぶることにし、その時の気分で臨機応変に浩二さんが車に移動して寝るなど次第にルールができていったそう。

お互いに気を使うことで仲良くなっていった

「そしたら、私に合わせてもらっていることに引け目を感じているのか、浩二がまぁ優しくて。せめて食事だけでもと鍋やシチューなど温まるメニューを作ってくれるようになり、エアコンの好みの温度が合わないことでかえって仲良くなれているような気がして、ジーンとしたんですよね

「寒がりの私と暑がりの彼」エアコン温度のすれ違いで仲が深まったはずが…ぽっちゃり彼氏の“まさかの裏切り”に絶句
エアコンの設定温度が違うカップル
「そしてそんなルールにもすっかり慣れて、浩二との2回目の夏も問題なく過ごせている気でいたのですが……」

仲睦まじい二人、まさか彼が“そんなこと”してるなんて

 さて2人の間に何が起こったのでしょう?

「ある晩にふと目を覚ましたら、浩二がいなかったんです。きっといつも通り車で涼むために移動したんだと思いました。なぜだか目が冴えてしまったので『せっかくだし浩二を驚かしてみようかな?』と気まぐれをおこして、駐車場に行ってみたんですよ」

「寒がりの私と暑がりの彼」エアコン温度のすれ違いで仲が深まったはずが…ぽっちゃり彼氏の“まさかの裏切り”に絶句
トホホ…敷地外の駐車場に移ることに
 すると浩二さんの車はなく「コンビニでも行ったのかな?」と思った夏実さんが道路に出てキョロキョロしていると、浩二さんの車が走ってきました。

なんと助手席には女性が乗っていて……信じられなくてつい二度見してしまいました。“しまった!”という顔をした浩二が目に入り、残念だけどこれは現実なんだと認めるしかありませんでしたね」

 そして夏実さんは浩二さんを睨みつけながら駐車場に誘導しました。

「そこから修羅場に突入。助手席の女性は、気怠(けだる)そうに車から降りてきました。『あなた浩二のなんなの?』と私が詰め寄ると、『ウザッ。私は誘われただけだから巻き込まないで』と言い放って、走って逃げようとしたんです。

 私が追いかけようとすると浩二が私の腕を掴んできて。
『とにかく落ち着いて』と私の動きを封じてきたので、何度もポヨンポヨンのお腹を殴ってやりましたが気がおさまらなくて」

 そして浩二さんのスマホを取り上げて見てみると、複数の女性とのやり取りを見つけてしまいました。

最悪の真相に関係は終わりを告げた

「浩二は私を快適な温度で寝かせて、暑がりの自分は気を遣って車に移動しているという“テイ”で、部屋を出ては浮気を繰り返していたみたいなんです

 夏実さんは、浩二さんがぽっちゃり体型でかっこいいわけでもなくモテとは無縁な雰囲気のため、「まさかこんなキャラで浮気なんてするはずない」と勝手に思い込んでいたそう。

「盲点でしたね。でも私も引っかかってしまったように浩二はマメで穏やかなので、それを強みに女性を口説いていたのかもしれません」

 そして浩二さんは夏実さんに必死に謝り、「お願いだから別れるなんて言わないで」と懇願しました。

「ですが私はドン引きしてしまい、もう浩二の言うことなんて何ひとつ信じられないという気持ちになってしまったので、そのままお別れしました。私たちが築いてきた信頼関係が一瞬で崩れ去った夜でしたね」とため息をつく夏実さんなのでした。

<文・イラスト/鈴木詩子>

【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop
編集部おすすめ