【今日のにゃんこタイム~○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.183】

 この世には、「この子に選ばれた」と思えてならない猫との出会いがあるもの。おしけんさん(@oshikenhalnatsu)は2016年のお盆休み中に趣味の釣りを楽しんでいたところ、1匹の子猫から猛アプローチを受け、“猫との暮らし”がスタートしました。


川釣り中に1匹の子猫から“猛アプローチ”を受けて…

 その日、川釣りをしていたおしけんさんは、大漁祭りに大喜び。そんな時、藪の中から子猫の鳴き声が聞こえました。

 必死な鳴き声を受け、おしけんさんは「ニャー」と返事をし、近くへ。すると、子猫はよちよち歩きで登場。おしけんさんの背中を駆け上り、頭に登りました。

川釣り中に“猛アプローチ”してくるボロボロの子猫を保護→9年...の画像はこちら >>
「降ろしても降ろしても、体に登ってきました。これほどまでに積極的な猫に出会うのは初めてでした」

 そのうちに子猫は目の前で川に落ちてしまい、おしけんさんは慌てて救助したそう。あまりの猛アプローチに根負けし、保護を決意し、釣りを中断しました。

 すると、子猫は自ら車に乗り、運転するおしけんさんの膝で爆睡。にゃんともマイペースな姿に、おしけんさんは驚かされました。

お迎え初日からリラックスした大物にゃんこ

 子猫は、ガリガリでボロボロの状態。お腹を空かせており、帰宅後はご飯をあげたりシャンプーをしたりと、大忙しでした。

川釣り中に“猛アプローチ”してくるボロボロの子猫を保護→9年後の優しいお顔にほっこり。毛色もガラッと変化
保護時の体重は980g
 出会った時期が夏であることや、自宅に「ハル」という名前の先住犬がいたことから、子猫の名前は「ナツ」に決定。

 お腹をくだしていたため、保護当日に動物病院へ連れて行きましたが、幸い大きな病気などは見つかりませんでした。


 ナツちゃんは、お迎え当初からおうちでリラックス。まるで、何年も前から家にいるかのような落ち着きぶりを見せたそうです。

川釣り中に“猛アプローチ”してくるボロボロの子猫を保護→9年後の優しいお顔にほっこり。毛色もガラッと変化
ナツちゃん
 自宅から聞こえる花火大会の音が苦手なハルちゃんとは違い、爆音の中でもスヤスヤ眠るナツちゃんを見て、おしけんさんは「大物だ……」と感じました。

毛色の変化で「白猫詐欺に遭った」と気づいた

 シャムトラのナツちゃんは徐々に、被毛の色が変化。日に日に変わっていく毛色を見て、おしけんさんは「白猫詐欺に遭った…」と微笑ましく思ったそうです。

川釣り中に“猛アプローチ”してくるボロボロの子猫を保護→9年後の優しいお顔にほっこり。毛色もガラッと変化
ナツちゃん
「保護当初は捨てられたショックからか、少しやさぐれていて目つきがキツい時もありましたが、だんだん優しい顔つきに変わっていきました」

 大物のナツちゃんは、自分よりもはるかに大きなハルちゃんにも臆することなく、マイペースな姿をたくさん披露したそう。中でも、印象的なのはストーブ前の特等席を奪うナツちゃんの姿です。

川釣り中に“猛アプローチ”してくるボロボロの子猫を保護→9年後の優しいお顔にほっこり。毛色もガラッと変化
特等席を奪うナツちゃん
 家族や心優しいハルちゃんに甘やかされたナツちゃんは、ツンデレなレディに成長。家族みんながいるリビングでは素っ気ない態度を取りますが、2階の和室でおしけんさんと2人きりになると、デレモードに。そのギャップにも、おしけんさんはハートを奪われています。

猛アプローチされた出会いの裏にあった“不思議な偶然”

 ナツちゃんの“かわいいギャップ”は、他にもあります。実はナツちゃん、高い場所が苦手。以前、カーテンレールに登った時には降りられなくなり、家族がカーテンで足場を作って救助しました。


川釣り中に“猛アプローチ”してくるボロボロの子猫を保護→9年後の優しいお顔にほっこり。毛色もガラッと変化
カーテンレールの上にいるナツちゃん
 ただ、その後はカーテンをつたって降りられるように。今では猫らしく、カーテンレールから床へ飛び降りているそうです。

「実はナツと出会った日、7年間一緒に働いていた元同僚の女性が強盗に襲われて命を落としました。亡くなった時間帯も同じだったので、ナツの必死な鳴き声は彼女の断末魔の悲鳴で、ナツは彼女の生まれ変わりなんじゃないかと思えてなりません」

川釣り中に“猛アプローチ”してくるボロボロの子猫を保護→9年後の優しいお顔にほっこり。毛色もガラッと変化
ナツちゃん
 不思議な偶然も感じさせる出会いであったからこそ、おしけんさんにとってナツちゃんは特別な存在。これからも、そのニャン生を温かく見守っていきます。

<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>

【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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