首都圏を中心に約1,200店舗を展開する都市型小型スーパー・まいばすけっと(通称:まいばす)。便利である一方で、他のスーパーと比べ無機質な品ぞろえであるという理由から、一時期は「まいばすけっとは都民への罰」とも言われ、中川家のコントでも「いろんなもん売っているけど、欲しいものは何一つ置いてない」と揶揄される存在でした。


 しかし、最近では複数のユーザーのSNS投稿をきっかけに“都民の心の支え”と評価が変化しているのをご存じでしょうか。

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平均時給より100円高い!深夜は1900円前後の店舗も

 今年に入り、まいばすけっとの時給が書かれた募集ポスターと共に「都心のまいばすけっとの時給がかなり高い」「知り合いの東大生が家庭教師のバイト辞めてまいばす始めた」という投稿がSNS上を騒がせ始めました。

 そのポスターに記載されている時給を確認すると、深夜早朝で時給1900円前後、通常時間帯でも1500円を超えていました。東京都心の一部の店舗だけかと思いきや、神奈川の郊外にある店舗でも通常時給は1370円(※2026年10月現在)となっています。

 近隣のコンビニ、スーパーは神奈川県の最低時給1279円ギリギリのところが多い中、これは驚きの数字。100円近く高い時給です。

時給1900円も!?『まいばすけっと』が“都民への罰→心の支え”に変化したわけ「最高のバイト先」説は本当なのか
店舗によって時給は異なる様子(編集部撮影)
 また、求人サイトを見ると「週1からOK」「副業も可」という文言も存在します。SNSでは、「どんなに仕事が辛くとも、『いざという時はまいばすけっとで働けばいい』という心の支えになっている」「子どもが幼稚園に入ったらまいばすけっとで働きたい」という声も。

 そんなおいしい話が存在するのでしょうか……。家族がまいばすけっとで働いているという方や、実際に勤務していた方、面接を受けた方などから話を聞いてみました。

宅配便やチケット発券なし!限られた業務範囲

 まずはポスターの記載通り、深夜の高時給に惹かれ今年3月まで勤務していたというAさん。時給がいい分、大変なのでは?

「コンビニと比べて時給が高いのに、チケット発券や宅配便の受付などがないため天国でした。ホットスナックも置いてないため、調理の必要がないのも嬉しかったです」(20代女性/勤務経験者)

 確かに、コンビニと同じような広さの店舗にも関わらず、業務範囲が狭いというのは魅力的です。

「それから、客層の良さも感じました。
基本的にイートインがなく、長い時間滞在するようなところではないから、ダラダラとたむろする若者がいないんですよ」

大手企業イオン系列ならではのメリット

 続けてAさんは「私が辞めた後に、髪色も服装の規定もユルくなったみたいです」と話します。

 確かに筆者の家の近所にある店舗の店員も以前は襟付きのシャツで働いていましたが、最近ではTシャツ姿や金髪で勤務している人が増えたような気がします。また、こんなメリットも。

「うちの親戚がまいばすけっとで働いているのですが、カードを作ると従業員割引が受けられると言っていました。大手イオンのグループ企業なだけあって、それに準じた待遇がアルバイトでも受けられるのはすごいですよね」(30代男性/親戚が勤務)

時給1900円も!?『まいばすけっと』が“都民への罰→心の支え”に変化したわけ「最高のバイト先」説は本当なのか
※写真はイメージです(以下同)
 新人教育もしっかりしており、研修センターで専門のトレーナーが丁寧に教えるそう。であれば、シフトも社員並みに入れられる可能性も?

「いえ、私は平日週2勤務で採用してもらえました。他では子持ちで平日昼間だけとなると募集もなく、あっても土日勤務必須だったり週4勤務を求められてなかなか決まりませんでした。その点、まいばすけっとは副業で勤務している方もおり、短時間や週1でも可能ということです」(40代女性/勤務経験者)

バイトなのに…採用試験に計算問題!?

 ただ、いいことばかりではないようで……。こんなデメリットもあると話します。

「シフトは完全固定で2人か3人で回すのが通常。少人数のため、お客さんが一気に来るとレジがきつい。同じ時間帯に働く同僚との相性が悪いと地獄です。お局っぽい人と一緒の時は最悪でした」(20代女性/勤務経験者)

「ママ友がまいばすで週1で働いているということを聞き、早速応募したんですが不採用。
希望の時間帯はどの店舗も人気で埋まっている、と面接でやんわりと言われてしまいました。でも本当の理由は別にあるんじゃないかな。採用試験ではなんと苦手な計算問題があり、半分もできず……そのせいではないかと思います」(30代女性/応募者)

時給1900円も!?『まいばすけっと』が“都民への罰→心の支え”に変化したわけ「最高のバイト先」説は本当なのか
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 求人サイトを見るとバイトにも関わらず、面接だけではなく簡単な計算問題・適性検査があるようです。人気なだけに、時間帯によっては競争率も高いためでしょうか。あるニューオープンの店舗では開店2週間前の時点で、人員はどの時間帯も充足したとのことです。

“都民への罰”から“心の支え”となりつつあるスーパー・まいばすけっと。一部では「近所にはまいばすけっとしかない」=「都会に住んでいる」という自虐に見せかけた密かなマウントとしても使われているようです。

 昨今の物価高によりコンビニ離れが進んでいくなか、“まいばすけっと勤務”がある種のステイタスとなる日も近いのかもしれません。

<文/小政りょう>

【小政りょう】
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦
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