10月にスタートしてから、豊作揃いと呼び声の高い2026年の秋ドラマ。その中でも、“豪華タッグやバディもの”がシーンを賑わせています。
この秋、特にシナジーが強い名優同士の好演が見られる珠玉のドラマ5選をご紹介します。

江口洋介×松嶋菜々子『救命病棟24時』

 1作目は、江口洋介さんと松嶋菜々子さんが16年ぶりに共演し、盤石の存在感で初回世帯平均視聴率10%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・以下同)と好発進した『救命病棟24時』第6シーズン(フジテレビ系)。

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 シーズン当初は研修医として孤高の天才救命医・進藤一生(江口さん)の手厳しい指導を受けていた小島楓(松嶋さん)も、今や救急センター副センター長としてベテランの風格を纏っています。

 今作でも進藤は変わらず孤高キャラで、働き方改革などで周囲の意識が変わっても、患者ファーストで時代にそぐわない厳しい指導をしています。多くを語らないため、若手から反発を買いやすい状態です。

 しかし、進藤の信念と技術を信じる小島が、時に彼と若手の板挟みになりながらも、緩衝材となって両者を繋ぎ、医療チームが円滑に回るよう徹しています。恩師と教え子という立場から、同じ救命医となり、正反対の性格ながら補完し合ってそれぞれの立場・やり方で後進を育てる戦友のような関係に。

 それぞれシリーズの途中では設定として作品から離れたこともありますが、27年の時を経て、役の上でも俳優としても圧倒的成長を遂げた松嶋さんの横に、変わらぬ佇まいの江口さんがいるという構図がとてもエモいです。

横浜流星×小栗旬『LOST10』

 2作目は、横浜流星さんが小栗旬さんと異色バディとなる『LOST10』(TBS系)。執筆時点でTVerお気に入り登録数100万台目前を突破した今作。登山ツアー中に発生した遭難事故を保険金殺人事件と捉えた2人が、それぞれ全く異なる手段で事件究明に挑みます。

視聴継続決定!27年ぶりの最強タッグに美しすぎるシスターフッド…“バディ”関係がエモい秋ドラマ5選
画像:「LOST10」TBS公式サイトより
 真面目で熱い肉体派の刑事・小駒瑛斗(横浜さん)に対し、余裕ある表情で軽妙にことを進めていく保険調査員・直司(小栗さん)。

 今作のテーマである「すべてを疑え」を地で行く直は、事故当事者の心情を慮るより、保険金にまつわる事実を突き詰めていこうとする現実主義者です。小駒はもちろん捜査にあたりつつも、ツアー客の1人であるかつての恩師に私情を挟むなど最大限相手の気持ちに寄り添っています。
2人は正義の定義が異なるようです。

 部屋がお隣さんになると、直が小駒をおちょくりながらも芯を突いたり、小駒が彼に少しずつ感化されたりと距離が近づいていきます。43歳の小栗さんが、30歳で民放GP帯連ドラ初主演となった横浜さんを最大限リスペクトしつつ、物語を掻き回しながら引き立てているのでしょう。

 お互いにとっても視聴者にとっても、敵か味方か断定出来ない不安定さがある初共演の2人。誰が加害者で誰が被害者なのか分からないスリリングな展開と共に、2人が真のバディになれるのか注目です。

石原さとみ×河合優実『ポリティカルパン』

 3作目は、女怪盗・如月弥生演じる石原さとみさんと、大物政治家の娘・小早川雅演じる河合優実さんのシスターフッドが美しい『ポリティカルパン』(フジテレビ系)。

 出発点は、ダークな政治の金を狙う弥生が雅を担ぎ上げ選挙で勝たせるなど、利用する側と利用される側。ただ、政治に対し純粋な思いを持つ雅を前に、大泥棒の弥生にも葛藤が生まれます。

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画像:「ポリティカルパン」フジテレビ公式サイトより
 秘書として雅を誹謗中傷から守ろうと奔走するなど言動がいちいち男前な弥生と、バカ娘からピュアな新人議員になった雅は尊重して支え合っています。

 第3話ラストに弥生に感謝を伝えようとデレる雅が可愛らしく、見ているこちらが小っ恥ずかしくなるほど。互いの心を盗み共鳴していく2人のかけ合いがエモーショナルです。

 番宣のため出演した同局系バラエティ番組『ぽかぽか』では、石原さんが2児の母として子育てと女優業の両立について明かしていました。そんな貫禄ある石原さんを「姐さん」のように慕っている様子の河合さん。
2人が作中でも私生活でも絆を深めていきそうな今後がますます楽しみです。

芦田愛菜×高橋文哉『南田南弁護士は天才肌』

 4作目は、自閉スペクトラム症を持つ新人弁護士・南田南演じる芦田愛菜さんと、彼女を支えるパラリーガル・船井湊人演じる高橋文哉さんの関係性が尊い『南田南弁護士は天才肌』(関西テレビ・フジテレビ系)。世界的ヒットとなった韓流ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のリメイクで、世帯平均視聴率7%台と好調です。

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画像:「南田南弁護士は天才肌」関西テレビ公式サイトより
 予告編では原作に対し、南の発話がハキハキしすぎているという指摘がありました。いざ蓋を開けてみると、今回の難役に挑んだ芦田さんが、自閉症当事者と触れ合い徹底した役作りの成果を発揮。

 目線のそらし方、手足の動かし方、意外性のある感情表現で見事にその特性を捉え、天才女優ここにありを見せつけてくれました。韓国版の完コピというより、フレッシュさも備えた日本版の主人公を新たに確立していると言えそうです。

 そんな南を1人の弁護士として自然に接しエスコートしているのが湊人。周囲が偏見を持つ中でも、彼だけは絶対的味方であるという安心感や包容力が、高橋さんの柔和な人柄や顔つきから滲み出ています。

 会話に詰まればさりげなくフォローしたり、法廷で危険が及べば身を挺して庇うなど、南に献身的なその姿からSNS上では「高橋文哉が過去一メロい」とざわつきが収まりません。事件の究明と共に、今期最も優しいバディとも呼べそうな2人の恋の行く末からも目が離せなくなりそうです。

大泉洋×山下智久『俺たちの箱根駅伝』

 5作目は、熱血な中継チーフプロデューサー・徳重亮演じる大泉洋さんと、クールな学生連合チーム監督・甲斐真人演じる山下智久さんが対照的な『俺たちの箱根駅伝』。徳重はテレビ局、甲斐は大学駅伝部と全く違う世界で動いていますが、同じ駅伝というテーマにそれぞれの場所で向き合い、共に良いチームを作り出そうとしています。

視聴継続決定!27年ぶりの最強タッグに美しすぎるシスターフッド…“バディ”関係がエモい秋ドラマ5選
画像:「俺たちの箱根駅伝」日本テレビ公式サイトより
 あくまで選手が主役としながらも箱根駅伝に人生を懸けている徳重は、感情がたっぷり乗る大泉さんにハマっています。
一方、監督経験ゼロで型破りな指導を用いて選手を導く甲斐は、冷静でストイックながら熱い内面も持ち合わせている山下さんの人物像と重なります。

 熱弁を振るう大泉さんと、寡黙に牽引する山下さんという正反対の2人が、箱根駅伝の真髄に迫る今作。そのクライマックスには、2人がどんな関係性になっているのか、必見です。

名優たちの最強タッグが名作を生むはず!

 話題作が出揃った今期。その要因は、間違いなく名優たちが生み出すバディやタッグの相乗効果の賜物と言えるでしょう。

<文/こじらぶ>

【こじらぶ】
ライター・コラムニスト。上智大学大学院外国語学研究科修了・言語学修士。ドラマ、男性&女性アイドル、スポーツ、エンタメ全般から時事ネタまで。俳優、アイドルなどのインタビューも。X: @kojirabu0419
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