倒れたタイワンベニヒノキは高さ46メートル、胸径4.3メートル。同園区のチケット売り場から徒歩で約50分の奥地にあり、「神木」の名で親しまれていた。
同園区は台湾大生物資源・農学部実験林管理処が管轄しており、同管理処は、専門家や研究者などを招いて倒木の原因を調査するとしている。現場にはすでに封鎖線が張られ、立ち入り禁止になっている。2800年間数々の台風や雷を耐えぬいてきた木が、晴れ渡った日に前触れもなく倒れたことに、管理処は不可解さを感じているという。
重傷の女性は近くの病院に運ばれ、検査を受けた際、意識ははっきりしていたものの、命の危険があったため、別の病院に移され、同日夜に手術を受けた。そのほか、68歳女性と55歳男性は比較的軽傷で、治療後に帰宅した。
負傷した男性によると、神木の見物を終え、その場を離れようとした瞬間に突然、パリッパリッと木が裂かれるような音が聞こえ、その後5秒もしないうちに倒れた。男性は木の枝に巻き込まれて下敷きになり、身動きが取れなかったという。また、音がした当時、付近には70人ほどがおり、「早く逃げろ」との掛け声も上がっていたと当時の状況を語った。
(蕭博陽/編集:名切千絵)