(台北 1日 中央社)無所属の柯文哲台北市長が新党「台湾民衆党」の結成を準備していることが先月31日、明らかになった。来年1月の総統選への出馬が取り沙汰されているものの、いまだにその是非を表明していない柯氏。
60歳の誕生日となる8月6日に新党の設立大会を開く予定。1日に市庁舎で報道陣に対して新党結成について説明し、「国会進出は確かにわれわれの一つの目標」と述べた。

総統選には、2期目を目指す与党・民進党の蔡英文総統に加え、最大野党の国民党から韓国瑜高雄市長の出馬が確定している。柯氏は、新党結成は総統選に出馬しないということなのか質問されると、「私個人が総統選に出馬するかしないかは重要ではない」とし、「どうすれば台湾は良くなるか、台湾の人々がよりよい福祉を得られるのか、これこそがわれわれが考えなければならないこと」と主張。その上で、国会進出を一つの目標とする考えを示した。

総統選出馬の是非をさらに追及されると、総統選の出馬に必要な署名集め実施の登録締切日である9月17日までに届け出を出さなければ不出馬ということだと説明。
「9月上旬が最終決定の時期になるだろう」と語った。

柯氏を巡っては、国民党の公認候補を決める党内予備選で韓氏に敗れた郭台銘・鴻海(ホンハイ)精密工業前会長とタッグを組むのではないかとの見方も出ている。これに関して柯氏は、郭氏とはまだ会っていないと明かした。郭氏の経営能力を評価した上で、米国や中国、日本など台湾の外に莫大な資産を有していることに触れ、政権運営が国外の利益の影響を受けないのかを説明する必要があると懸念を示した。

(梁珮綺/編集:名切千絵)