(台北中央社)台湾鉄路管理局(台鉄)の特急タロコ号が昨年4月、東部・花蓮県内で作業車と衝突して脱線し、死者49人、負傷者213人を出した事故で、国家運輸安全調査委員会は10日、最終調査報告書を公表した。複数の規定違反が事故の原因となったと結論付けた。


報告書は、事故現場に近い工事箇所で本来は禁止されていた期間に作業が行われ、事故前には作業員らが線路そばの斜面にある道路で立ち往生した作業車を重機で動かそうとしたものの、現場の主任や外国人労働者はいずれも重機の操作資格を持っていなかったと指摘。適切な動作が行われなかったのに加え、防護柵が設置されていなかったため、作業車が線路上に滑落したと判断した。

また現場の主任が、事故前に台鉄から提供された携帯無線機を持っておらず、運転士や駅係員、関係部署などに連絡して、列車を停止または減速させることができなかったと説明。列車のブレーキが間に合わずに事故が起きたとした。

報告書は、直接的、間接的、根本的原因47項目を指摘した他、台鉄や交通部(交通省)、同部鉄道局、内政部(内務省)営建署、公共工程(工事)委員会などに対する16項目の改善も提言した。

(汪淑芬/編集:齊藤啓介)