(台北中央社)外務副大臣、防衛副大臣を歴任した自民党の中山泰秀氏が台湾を訪問し、台北市内で8日、記者会見を開いた。中国軍のミサイルが日本の近海に落下したことで「台湾の有事は日本の有事に直結することが証明された」とし、台湾が日本や米国、他の民主主義国家と協力し、地域の平和と安全を守っていくことに期待を寄せた。


中国軍は今年8月、台湾周辺で大規模な軍事演習を実施。発射された弾道ミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)内に5発落下した。中山氏は、中国軍が日本にとって危険な軍隊だと示す「象徴的な出来事」だとした上で、「偶然ではなく、故意に日本のEEZ内に打ち込んだというのが大半の見方」との考えを示した。

また、今後の戦争は従来の陸海空に加え、「宇宙、サイバー、電磁波」の3領域で展開されると指摘。中国による攻撃が行われれば「台湾にとって非常に厳しい防衛環境」になるとし、台湾は対策が必要だと語った。

特に宇宙については、中国が多くの軍事衛星を打ち上げていることに言及。
ミサイルの位置を知るのにも衛星が必要な時代だとし、台湾は技術力や海外からの投資を生かし、「宇宙戦略に対するコミットメント」を加速させるべきだと訴えた。

この日の記者会見は、ジャーナリストの杉浦美香氏がまとめた「政治家 中山泰秀」が台湾で翻訳出版されるのを記念し開かれた。

(楊千慧)