NHKの報道によれば、柯氏は7日、NHKのインタビューに応じ、釣魚台列島について「一般に台湾の人たちはこの土地が欲しいというわけではなく、そこで漁業ができればいいだけで、それなら日本と意見の一致をみられるはずだ。争いのない部分を先に解決し、争いのある部分はあとで処理する」と述べた。また、周辺海域で台湾の漁船が今よりも操業しやすくなるよう、日本に一層の対応を求めたという。
与党・民進党の林静儀立法委員(国会議員)は8日の同党立法院党団(国会議員団)記者会見で、柯氏は主権を気にしておらず、主権の問題を軽視していると指摘。総統選に出馬する人が国際儀礼や国際関係、政治の役割さえも知らないとしたら、どうして総統になり得ようかと非難した。
野党・国民党の立法院党団総召(院内総務)を務める曽銘宗立法委員らも同日、立法院で記者会見を開いた。
柯氏の事務所の広報を担当する陳智菡氏はフェイスブックで、柯氏は「総統選候補者として、国家の主権を守ることを堅持する」とし、「ただ、現実的な観点から出発し、台湾の漁業者の生計におけるニーズを考慮する必要がある。それとともに日本の主要メディアに登場する機会をつかみ、台湾の漁業者のために声を上げた」と発言の意図を説明した。
(王揚宇、王承中、郭建伸/編集:名切千絵)