(台北中央社)台湾の通商交渉トップ、鄧振中(とうしんちゅう)行政院(内閣)政務委員(無任所大臣)は25日、台湾の環太平洋経済連携協定(TPP)加入を支持する国際社会の力は強く、「(加入実現の)可能性は大きい」と自信を見せた。一方で、中国に先を越されれば可能性はなくなるとし、中国の前に加入を成し遂げる必要があると述べた。


ラジオ番組のインタビューで語った。台湾は2021年9月、「独立関税地域」としてTPPに加入を申請。中国はその約1週間前に加入申請を行った。

鄧氏は、台湾が大型の機関に加入するのは容易ではないものの、困難は克服できないわけではないと言及。2002年に独立関税地域の形で世界貿易機関(WTO)に加盟したことを例に挙げ、台湾を取り巻く当時の情勢は現在ほど良好ではなかったと振り返った。その上で、中国は必ず反対するものの、台湾のTPP加入を支持する力は依然として大きく、連携も十分に取れているとし、「いつ加入を実現できるかは分からないが、可能性は大きい」として各界に対し、希望を捨てないよう呼びかけた。


鄧氏は、一部のTPP加盟国は中国の加入を重要視している一方で、中国がルールを順守できるのかも見られていると指摘。台湾はTPP加盟国に対し、国際貿易において約束を守れる国であることを証明でき、TPPのハイレベルの基準も喜んで受け入れると強調した。

また、中国との関係を改善できれば、台湾が国際機関に参加する上での困難が解決されるのかとの質問に対しては、過去の経験から見れば、中国と台湾の関係が良好でも、中国は台湾の国際機関参加に反対するだろうと言及。中国には、台湾は中国とだけ関係を持てばよく、国際社会と関係を深める必要はないとの考えがあるからだと説明した。

(頼于榛/編集:名切千絵)