(台北中央社)蔡英文(さいえいぶん)総統は5日から4日間の日程でアフリカ南部エスワティニ(旧スワジランド)を訪問する。外交部(外務省)は4日までに、アフリカの11カ国の政治家計80人以上から共同声明や書簡などを通じ、蔡総統のアフリカ訪問に対して歓迎の意が示されたと明らかにした。
外交部はアフリカ諸国の政治家や友人から台湾への友情と支持が伝えられたことに「心からの謝意」を表明した。

蔡総統は6日に行われるエスワティニ独立55周年記念式典に出席する。中華民国(台湾)はエスワティニの独立当初から外交関係を有しており、今年は両国の国交樹立55周年の年にも当たる。蔡総統のアフリカ訪問は就任後2度目。

外交部によれば、共同声明は南アフリカやマラウイ、ボツワナ、ジンバブエ、ザンビア、レソト、ナイジェリア、ウガンダ、タンザニア、ナミビア、ソマリランドの11カ国の与野党国会議員80人以上が各国の親台派議員連盟「フォルモサクラブ」のメンバーを代表して連名で発表した。声明では、蔡総統が2018年のエスワティニ訪問後に推進した「アフリカ計画」がすでに具体的な成果を挙げ、農業や教育、情報通信技術、エネルギー、貿易、観光などの分野で台湾とアフリカ間の協力関係がさらに密接になったと紹介した上で、台湾とのさらなる協力や交流に期待を示した。


南アフリカの野党やボツワナの前大統領からは歓迎の書簡が寄せられた。南アフリカの最大野党「民主同盟」(DA)のジョン・スティーンヘイゼン党首は書簡を通じ、全党と自由を愛する全てのアフリカの友人を代表して蔡総統を歓迎すると表明。スティーンヘイゼン氏は、南アフリカが8月の新興5カ国(BRICS)首脳会議で中国の習近平国家主席をもてなし、9月初旬には南アフリカと同じく「南部アフリカ開発共同体」(SADC)に属するエスワティニが蔡総統を迎え入れるというのは喜ばしいことだとの考えを示した。その上で、台湾が中国の日々拡張する脅威と圧力の下で民主主義や自由、法の支配、人権といった普遍的価値観を守っていることに敬意を表した。また、民主同盟は台湾の強固な盟友だとし、蔡総統の将来的な南アフリカ訪問にも期待を寄せた。南アフリカのインカタ自由党(IFP)のナレンド・シン国会議員も、党を代表して歓迎の書簡を出した。


ボツワナのイアン・カーマ前大統領は書簡の中で、台湾の自由や民主主義を固く守る蔡総統の約束に敬意を表し、蔡総統のアフリカ訪問によって台湾とアフリカの関係はさらに強化されることだろうとつづった。

外交部は、蔡総統の2度目のアフリカ訪問がアフリカの政治家から熱烈に歓迎、支持されていることは、台湾の自由、民主主義や開かれた経済制度に加え、着実外交や互恵互助によってアフリカ諸国と連携する「台湾モデル」がアフリカの友人から評価されていることの表れだとし、アフリカとの友好協力関係を引き続き深化させていくとした。

(黄雅詩/編集:名切千絵)