(サンフランシスコ中央社)アジア太平洋地域の21の国・地域が参加するアジア太平洋経済協力会議(APEC)が11日、米サンフランシスコで開幕した。新型コロナウイルスの流行や地政学的影響によって世界の競争の最前線に立つ台湾には期間中、各国が半導体分野における連携を積極的に働きかけることが予想される。
台湾の通商交渉トップ、鄧振中(とうしんちゅう)行政院(内閣)政務委員(無任所大臣)は取材に対し、より多くの参加国と2者間会談を行うことに意欲を示し、台湾が加入を目指す環太平洋経済連携協定(TPP)の加盟国を重点の一つとする方針を明らかにした。

APECでは12~13日に財務相会合が開かれ、14~15日には閣僚会議を開催。台湾からは鄧氏と国家発展委員会の龔明鑫(きょうめいきん)主任委員(閣僚)が代表として参加する。15~17日の首脳会議には半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の創業者、張忠謀(ちょうちゅうぼう)氏が台湾の特使として出席する。

鄧氏は12日までに中央社の取材に応じ、多くの国の閣僚と一度に対面できる機会は貴重だと述べ、必ずや各国と2者間会談を行うと言及。「多ければ多い方がいい」と語り、TPP加盟国に対して台湾の加入の意欲と各種の準備作業を伝えることを重要任務の一つにすると説明した。


また、米国との間で6月に第1段階の協定を締結した貿易協議の枠組み「21世紀の貿易に関する台米イニシアチブ」について、期間中に米国のキャサリン・タイ通商代表と面会できるよう期待を寄せた。第2段階の交渉は進捗(しんちょく)が遅れている。

(曽智怡/編集:名切千絵)