(台北中央社)最大野党・国民党の馬英九(ばえいきゅう)前総統が8日、ドイツの国際公共放送ドイチェ・ベレのインタビューを受け、中国の習近平国家主席を信用しなければならないなどと発言した。関連記事は10日に公開され、与党・民進党は同日、記者会見で「社会の共通認識とかけ離れている」と非難した。


馬氏は、習氏を信じられるかという質問に対し「両岸(台湾と中国)関係について言えば」と前置きした上で「習氏を信用しなければならない」と答えた。習氏が新年を迎えるあいさつで「統一は歴史的必然だ」としたことについては「習氏が統一を推し進めているとは考えていない」と持論を展開。中国が統一を望んでいるのは確かだとしながらも、統一には多くの時間を要し、人々の同意を得る必要もあると語った。さらに、統一は中華民国憲法に書かれているとし「本来台湾が受け入れられることだ」と述べた。

民進党で広報を担当する戴瑋姍氏は馬氏の発言について「台湾人は受け入れられない」と不快感を表明。その上で、馬氏は台湾内部の両岸関係に対する見方について海外メディアに誤解を与えているとし「非常にたちが悪い」と批判した。


また13日に投開票を控える総統選に触れ、戴氏は、国民党の総統候補、侯友宜(こうゆうぎ)新北市長を支持することは馬氏を支持することであり、習氏や両岸統一を支持することになると警鐘を鳴らした。

▽侯氏「考え方少し異なる」

侯氏も10日、訪問先の南部・高雄で取材に応じ、馬氏の考え方は自身とは異なるところがあると説明し、台湾の民主主義と自由を固守し、一国二制度に反対すると強調。さらに重要なのは台湾の人々の生活様式を守ることだと語った。

(劉冠廷、温貴香/編集:田中宏樹)