(シドニー中央社)中華民国(台湾)と外交関係を有する南太平洋の島国ツバルを巡り、台湾と日本、米国、オーストラリアが協力して海底ケーブルを敷設する見込みだ。林東亨(りんとうこう)駐ツバル大使は11日、各支援パートナーが心を一つに協力し、ツバルやマーシャル諸島などの太平洋の島国にクリーンなインターネットを構築できることをうれしく思うと語り、情報セキュリティーの確保や連結性向上に期待を寄せた。


太平洋では近年、海底ケーブルの敷設計画が進んでいる。米東部時間10日に行われた日米首脳会談の共同声明でも、日米がツバルを含む太平洋地域で、海底ケーブル整備のための資金を拠出する意図を有する内容が盛り込まれた。

ツバルは長きにわたり、インターネットなどの情報のやりとりを衛星通信に依存。費用が高いばかりか、天候のあおりを受けやすく安定性に乏しかった他、容量不足などでその連絡性に影響が生じていた。

林大使は中央社の取材に、ツバルのインターネットや通信強化のため、台湾は2021年から積極的に全域で4G LTEの通信インフラ建設に取り組んでいると説明。対外的には現在も衛星通信に依存し、連結性に限りが見られることから、台湾は日米やオーストラリアなど理念の近い支援パートナーと協力して23年から中部太平洋海底ケーブルの実現可能性を調査し、敷設計画を進めていたと語った。


林大使は、ケーブルの運用開始後にはツバルの連絡性を大幅に向上できる他、全ての国民に安全で信頼できる良質なインターネットサービスを提供できるだろうと語った。

(楊淳卉/編集:齊藤啓介)