(嘉義中央社)南部・嘉義県の景勝地、阿里山の中・低標高(1000~1200メートル)地帯で、ワサビの栽培に成功した。県政府が農家と協力して日本の品種を交配。
県農業処によれば、現在約5800平方メートルの土地で約4万株のワサビが栽培されているという。

同処が1日発表した報道資料によると、ワサビは阿里山の特産物で、かつては海抜2千メートル以上の国有地で栽培されていたが、その後環境保全のために栽培が禁止され、次第に姿を消していた。

県政府は2022年から阿里山郷などと協力して生産者団体「山葵生産合作社」を立ち上げ、3年間にわたるワサビ栽培復活に関するプロジェクトを推進。2千万台湾元(約9700万円)を投じて温室農場を設置し交配を行い、栽培に成功したという。年末には5万5千株まで増やせると見込んでいる。

同合作社の安淑美理事主席は、ワサビは2年栽培すると収穫できるとし、すりおろして生で食べても加工品にしても価値があると説明。
茎から湿布や栄養ドリンクが作れ、根や茎はスープに入れられるとし、現在はアイスクリームを試作中だと話した。

翁章梁(おうしょうりょう)県長は、環境に影響しない集落の中で栽培を広めたいとの意欲を示しており、ワサビをこれからも阿里山の象徴にしたいと期待を寄せている。

(蔡智明/編集:齊藤啓介)