同地裁によると、台南市北門区の沖合5カイリ(約9キロ)の海底には電気通信大手、中華電信が維持管理する海底ケーブル「台澎3号」が設置されており、周辺海域ではいかりを下ろすことが禁止されている。
船長は貨物船でこの海域に到着後、2月22日午後9時半から25日午前3時までの間、乗組員2人にいかりを下ろすよう指示した他、貨物船をジグザグに航行させ、台澎3号を切断し、通常の通信ができない状態にさせた。
船長は、乗組員にいかりを下ろすよう指示したことは認めたものの、ケーブルを損傷させたことについては否認した。だが同地裁は、船長がみだりにいかりを下ろして航行し、中華電信に修理費1700万台湾元(約8230万円)と船舶代理費180万元(約870万円)超の損害を負わせたと断じた。
貨物船はトーゴ船籍で、乗組員は全員中国人だった。ケーブルの切断後、船長は勾留と接見禁止の措置が取られ、4月11日に起訴された。他の乗組員7人は証拠不十分で不起訴となり、強制送還された。
(張栄祥/編集:齊藤啓介)