(新北中央社)与党・民進党所属の立法委員(国会議員)3人に対するリコール(解職請求)運動で署名の偽造に関与したなどとして、北部・新北市の台湾新北地方検察署(地検)は24日、最大野党・国民党の新北市党部(支部)の職員やボランティア31人を個人情報保護法違反と刑法の私文書偽造の罪で起訴した。

地検によれば、国民党は1月22日に台北市内の党本部で開いた会議で、リコール提議に必要な署名を春節(旧正月)連休明けの2月3日までに用意する方針を決めた。
だが、春節には多くの有権者が市外に帰省することもあり、必要な「選出選挙区の有権者の1%以上」の署名を短期間で集めるのは困難とみた市党部書記長の陳貞容被告らは、党員名簿に記載されていた情報を転記して計2566人分の署名を偽造した。偽造署名はその後、実際に集められた署名と併せて中央選挙委員会に提出された。

国民党が署名を2月3日までに用意するよう決めたのは、同党と第2野党・民衆党の賛成多数で立法院(国会)を通過した改正公職人員選挙罷免法が2月20日に施行されることにより、署名者の身分証コピーの添付が要件に追加され、署名集めの進捗(しんちょく)に影響することを懸念したためだという。

地検は、偽造で中心的役割を担った陳被告や犯行を否認している複数の被告に対して重い刑を求めるとした一方で、党部からの圧力で偽造し、容疑を認めた被告らについては刑の軽減を提言した。

立法委員や地方議会議員のリコール運動に関する署名偽造で、国民党関係者の起訴が各地で相次いでいる。中央社の集計では24日までに台北市、新北市、南部・台南市、北東部・宜蘭県で同党関係者が起訴された他、6の県市で捜査が行われている。

(趙敏雅/編集:田中宏樹)
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