(台北中央社)画家の奈良美智さんが2023年から台湾で取り組んでいる巡回展の4カ所目の展示が28日、北部・新北市の台湾電力金水基地で始まった。オープニングセレモニーに出席した頼清徳(らいせいとく)総統は、会場では台湾の若手芸術家4人の作品も併せて展示され、台日のアート交流が表現されていると語り、参観を呼びかけた。


頼総統は、奈良さんが台湾のために描いた作品「Hazy Humid Day」は「人々を楽しくさせる」と語り、作品に描かれた少女の目についても「宝石のように神秘的だ」と称賛。これからもさまざまな場所で展示が行われることに触れ、台湾や日本の人々に対し、作品と一緒に旅に出てほしいと述べた。

奈良さんは、2021年に台北や南部の高雄と台南の美術館で行われた特別展の終了後に「美術館がない所にも(作品を)展示していきたいと思った」と巡回展開催のきっかけを説明。今回の会場に古い建物を選んだことについて「使用されなくなったものをいかにその状態を保ちながら新しいものに変えていくかということに興味があった」、「この展覧会がここでできて良かった」と語った。

またこれまでに蔡英文(さいえいぶん)前総統と頼総統の2人と握手できたとして「僕はたぶんすごく幸せな日本人だ」と笑った。

金水基地での展示は9月28日まで。参観はオンライン予約制。

(王宝児/編集:齊藤啓介)
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