中国製アプリの情報セキュリティー上の問題を巡っては近年、国際社会で懸念が広がっている。国家安全局は台湾の人々の個人情報が中国側に不正に盗まれるのを防ぐため、台湾でも利用者が多い「小紅書」「微博」「抖音」「微信」(ウィーチャット)、クラウドサービス「百度網盤」の五つの中国製アプリを対象に検査を実施し、15の指標で安全性を分析した。
その結果、五つのアプリ全てで「個人情報の過度な収集」と「権限乱用」の問題が見つかった。顔情報やスクリーンショット、クリップボード、電話帳、位置情報などを広く収集していたという。また、全てのアプリでデータを中国域内のサーバーに送信していたことも分かった。国家安全局は、利用者の個人情報が第三者に悪用される可能性がある他、中国には企業に利用者の情報やデータを国家安全や公安、情報部門に提供するよう求めることができる法律があることから、利用者の個人情報が中国の特定の部門に把握、利用される恐れもあると警鐘を鳴らした。
五つのアプリで最も違反が深刻だったのは「小紅書」で、15項目全てで違反が見つかった。違反数は「微博」と「抖音」が13、「微信」が10、「百度網盤」が9だった。
(呉書緯/編集:名切千絵)