鉄道局によると、延伸区間は南港から宜蘭県中央部までの全長約60.6キロ。途中、北部・新北市の汐止、平渓、双渓、貢寮、宜蘭県頭城を通過する。宜蘭県政府庁舎の南東に新駅を設置し、その南側に車両整備基地を設ける。北部の水がめとされる翡翠ダム(新北市)の集水域は避けて建設する。
会議後に報道陣の取材に応じた鉄道局の楊正君局長は、今後は関連機関が総合的な計画書を作成して交通部と行政院(内閣)に送ると説明。今年末または来年初めの行政院の承認獲得を目指すと述べた。
仮に承認が得られた場合、約2年かけて詳細設計を進めた後に発注と施工ができるとし、承認から11年後の完成を予定していると語った。
楊局長は、宜蘭が台北の日帰り生活圏に入ることは地元住民の願いだったと強調。高鉄と競合することになる台鉄については、全国の鉄道ネットワーク整備計画には花蓮―台東間(いずれも東部)や台東県と南部・屏東県を結ぶ南廻線の改良工事などが含まれているとし、「台鉄を見捨てるわけではない」と語った。
(張雄風/編集:齊藤啓介)