梨山賓館は台湾中央部を東西に横断する「中部横貫公路」沿いの標高約2000メートルに位置する。1959年に蒋の指示で建設が始まり、65年に完成。当初は蒋の住まいや海外の賓客をもてなす施設として使われた。99年の台湾大地震や2004年の水害などでかつての輝きが徐々に失われていたが、12年に修繕を経て再開業した。グランドホテル台北(円山大飯店)やザ・グランド・ホテル高雄 (高雄円山大飯店)と並んで台湾の三大宮殿式ホテルの一つとされている。
銅像は1976年に設置され、約50年の歴史がある。
管理処の曹忠猷処長は、銅像の撤去は地域の人々と話し合った結果だと説明。銅像はメンテナンスを行った後、梨山賓館の文物陳列室で展示し、中部横貫公路の開拓の歴史や銅像の沿革を紹介する解説パネルも設置するとした。
銅像撤去後のロータリーには、書家の作品にタイワンマスのイメージを融合させたインスタレーションを設置する。早ければ年内にも設置が完了する予定。曹処長は、インスタレーションが梨山の新たな名所になるよう期待を寄せた。
撤去時には多くの地元住民が駆けつけ、名残惜しさを口にしていた。
(郝雪卿/編集:名切千絵)