シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:ひなさん(青森県・30代女性)

看護師として働くひなさんは、2児の母である。

いま彼女は職場で、子供を育てている後輩スタッフの働きやすい環境を作ることや、積極的な声かけに努めているという。

それは、彼女がかつて子供を育てながらの仕事に悩んでいたからで......。

「育休明け、先輩に仕事を頼んだり子供のために早退したり。職場...の画像はこちら >>

<ひなさんの体験談>

子供が1歳と3歳の頃、育児休暇明けで看護師の仕事に戻しました。

時短をとって働いていましたが、緊急入院や救急車が搬送されると、定刻通りにはなかなかいきません。保育園のお迎えは自分の子供が最後ということも多かったです。

「なんのために働いているのだろう」

それでも子供の急な体調不良などがあると、先輩方に仕事をお願いたりして早退することもたくさんありました。

もちろん先輩方みんながいい顔をするわけでもなく嫌味もたくさん言われます。

自分ができることを精一杯やろうと気を張って頑張っていましたが、職場にも迷惑をかけ、子供にも寂しい思いをさせて家族にも家事の負担をかけていると感じていました。

「育休明け、先輩に仕事を頼んだり子供のために早退したり。職場に迷惑、家族に負担をかけながら働いていた私は...」(青森県・30代女性)
子供たちも寂しい思いを(画像はイメージ)

このまま仕事を続けてもいいのか。何のために自分は働いているのだろうか。

そんな悩みを抱えながら仕事終わりに保育園までお迎えに行き、そのままスーパーで買い物を済ませて帰ろうとしていた時のことです。

子供達が駐車場めがけて道路に飛び出し、その途端にスーパーの袋が破けました。

心がぽっきり折れかけて...

わたしの心もぽっきり折れかけました。

しかし、その瞬間、ある中年夫婦が子供達の手を掴んでくれたのです。

そして、子供達と手を繋いで一緒に私の車まで連れて行ってくれました。

「育休明け、先輩に仕事を頼んだり子供のために早退したり。職場に迷惑、家族に負担をかけながら働いていた私は...」(青森県・30代女性)
飛び出した子供と手を繋いでくれて...(画像はイメージ)

あの時、「頑張ってね」と言って去っていかれたご夫婦に、心の余裕がなかった私は「ありがとうございました」としか言えませんでした。

改めて、あの時は子供の命だけでなく、私の心も救っていただきありがとうございました。

今では子供達も小学生となり、買い物の袋を進んでもってくれる優しい子に育ちました。

私も好きな看護師の仕事を続けています。

子供を育てている後輩スタッフの働きやすい環境作りや声かけをするようにしています。

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