
もし一人で凍った湖や川にいるとき急に氷が割れて落ちてしまったら?いきなり落ちて体ごと氷水に浸かるなど恐怖でしかないが、アウトドアの達人が体を張って伝授する自力での脱出方法が紹介されていた。
知っていても損はない、真冬に起こりうる落水事故の対処法の1つとし、カナダの熱血アウトドア・インストラクターが身をもって伝授してくれている。
様々な役に立つサバイバル術をYouTubeで発信し、120万人超のフォロワーがいるThe Bear EssentialsのDJが、実際に氷の下に落ちて指導するリアルな脱出技をみてみよう。
アウトドア・インストラクターが脱出方法を指導
もし冬に湖や川の薄い氷の下に落ちてしまったらどうするべきなのか。しかもたった一人のときに、だ。
そんなときに役立ちそうな手段の1つがこれ。
カナダのユーチューバーで熱血アウトドア・インストラクターのDJ が、自ら氷を割って穴をあけ、実際落ちてレクチャーするという、まさに実践的な脱出方法だ。
真冬の落水から自分を救うセルフレスキュー法
DJ直伝の真冬の落水から自分自身を救い出すセルフレスキューの手順はざっくりこうだ。
1. 肘を氷の上に出す
まず氷の上に肘を出す。このとき重要なのは、急に落ちた時のショックと直後に襲ってくる冷たい水ダブルショックにめげないこと。そしてとにかく慌てず、冷静を保つことだ。
とはいっても、実際に落ちたら、私を含め多くの人は慌てるはずだ。パニックになった時は、呼吸を整えてから次の行動に移ろう。
2. 泳ぐように前進する
呼吸が整ったら、次は足を後ろに伸ばし、泳いで前進するように足で水を蹴る。この前方への動作が、体を引き上げるコツだ。
慌てて穴の周りの氷に手をつき、穴から真上に体を出そうとするのではなく、肘全体に体重を分散し、手前の氷に体が乗るようバタ足で進む。
後はしっかりした氷にたどり着くまでこうした前進を繰り返す。その間も冷静を保ち、周囲に危険がないか注意を払うこと。
3. 這い進んで上がる
氷に体が乗り始めても、立ち上がらずそのまま肘で這い進み、より厚い氷や岸を目指す。
そのときも、氷が割れるのを防ぐため、1点に力を加えないよう肘で慎重に這い、同時に足先で押し出すように進む。
這うのが難しいときは氷の上で転がって進む方法もあるが、DJ個人はおすすめしていない。
それで体重が分散するのはいいが、もし仰向けになったとき、また氷が割れれば氷水に落ちて溺れるリスクがあるからだ。
なおもしアイスピックを持っていて、氷が十分に厚いなら、肘の代わりに使って進むと便利だ。
4. 助けを求める
どうにか岸に着いたら、水中にいた時間がどれだけ短くても、必ず助けを求めよう。
低体温症は深刻なリスクであり、後になって混乱するなど、精神や健康状態の変化が現れることがあるからだ。
体が機能しなくなるまでの時間はおよそ10分
実際に落ちたら「すぐ上がらなきゃ!」と焦るだろう。というか自分なら確実にパニックになる自信がある。
氷が次々割れて、脱出に手間取れば手間取るほど、体温をどんどん奪う水の冷たさや一人きりの心細さも相まって「もうダメだ!」と体より心のほうが真っ先に折れそうな予感しかない。
でもそこでくじけず、決して早々にあきらめないことが重要だ。
もし現実に起こった時もどうか希望を捨てず、がんばってほしい。
2回も落ちて慌てないプロの指導
自力脱出の具体的な動きはこちら。DJ が運営する The Bear Essentials[https://www.youtube.com/@TheBearEssentials] チャンネルが2024年1月に公開したもので、再生数45,000回を超えている。
前述したように、DJは氷を割り、実際に冷たい水に落っこちて指導してくれている。しかも2回もだ。
最初は手ぶらで落下して脱出。次にアイスピックを持ってる場合の脱出と、ガチで水に浸かりながらの指導なもんだから、本当に寒そうでハラハラする。
いうまでもなくプロのやることなのでみんなは真似しないようにだ。
でもきっと、落ちても慌てないお手本を見せるためにやってくれてるんだろう。いやすごいわ。
ちなみにこちらの動画も同様に実際に落ちてから脱出する方法をレクチャー。
実践は6:40頃からで、落ちてもまず慌てず落ち着くこと、そして氷を割らないよう腕を広げたまま足を伸ばしバタ足で氷に乗り上がって、慎重に脱出する方法をおすすめしている。
冬の氷上からの落水事故は、氷の上で遊びがちな子どものほうが多いかもしれないが、大人でも万が一のことがある。
急だとこうはいかなそうだから、冬が来るたびイメトレしとくのもいいと思うよ。