怖い、怖いよ。天井からぶら下がりながら筋肉をピクピク動かすヒューマノイドロボット
Image credit: Clone Robotics

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 最新のヒューマノイドロボットは、人間の骨206本を再現した骨格と1000本の人工筋肉から成り、汗もかく。

 これはアメリカとポーランドの企業「Clone Robotics(クローン・ロボティクス社)」がつい先日発表した最新のヒューマノイド「Protoclone(プロトクローン)」だ。

 人体を模しているだけあって肉感的で、「人造人間」という呼び名の方が似合いそうだ。実際に動画の説明欄にも「synthetic human(人造人間)」と紹介されている。

 今はただ宙吊りになってビクンビクンと痙攣しているだけだが、将来的には自律した二足歩行となり、人間に代わって、日常のあらゆる問題をこなすことを目的としているそうだ。

1000本の人工筋肉で人体の自然な動きを再現

 宙吊りのままビクンビクンと痙攣する人間そっくりの姿は、不気味の谷どころの騒ぎじゃない。お化け屋敷に設置すれば、さぞや人々を怖がらせることだろう。

 だがプロトクローンは、開発途中の段階で、最新のメカニズムを搭載している。

 その最大の特徴は、同社が開発した「Myofiber」なる人工筋肉を1000本以上も備えていることだ。

 この人工筋肉はマッキベン型空気圧筋をベースにしたものだという。筋肉の1本1本はチューブのような構造をしており、その内部にはバルーンが仕込まれている。

 ここにポンプで空気を入れると、バルーンが膨らみ、その作用でチューブが収縮する。

 プロトクローンの場合、500wの内蔵ポンプで1分間に40ℓの流体を流し込み、ボディ各部位の人工筋肉を生身の筋肉であるかのように動かす。

 さらに500個のセンサーが搭載されており、これらが組み合わさることで、人間の筋肉や神経、骨格の動きをリアルに再現することができるという。

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人間のように汗をかく

 さらに驚くべき点は、このロボットが持つ冷却システムだ。これはなんと人間の汗を模倣しており、内部の温度を調節するために水を使って放熱する仕組みになっている。

 これにより、長時間の稼働でもオーバーヒートすることなく、安定した動作が実現する。

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見るだけで学習し動作を再現

 映像を見る限り、現時点では自力で立つことはできない。だからせっかくの人工筋肉もビクビクと不気味な引き攣れを生じさせるだけだ。

 しかし、各部位に注目すれば素晴らしい機能性を備えていそうだ。

 例えば、かつて発表された手の動画では、器用な指先の動きのほか、ダンベルのような重量物でも持てるほどの握力があることが確認できる。

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 また人間がグローブ型コントローラーを着用することで、手の動きをロボットに真似させることもできる。ロボットの反応速度は速く、ボールをキャッチすることも可能だ。

 さらに上半身の動作の動画では、ボディビルダーのような自然なポージングや、腹筋を利用した動作が可能であることがわかる。

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2025年に予約販売開始予定

 かといって脳筋というわけではない。

 プロトクローンには、目となる深度カメラ4台、関節位置をモニターする慣性センサー70個、力のフィードバックを得るための圧力センサー320個が内蔵されている。

 これらが組み合わさることで、人間の筋肉や神経、骨格の動きをリアルに再現することができるという。

 こうした機能が現時点でどの程度のレベルで実現されているのかはわからない。だがクローン・ロボティクス社はすでに「Clone α(クローンα)」なるバージョンの予約を2025年中に開始する予定である。

 予約可能台数は279台。価格は未定だが、興味があるならこちら[https://www.clonerobotics.com/]を覗いてみるといいだろう。

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References: Clonerobotics[https://www.clonerobotics.com/] / Arstechnica[https://arstechnica.com/gadgets/2025/02/dangling-twitching-human-robot-with-synthetic-muscles-makes-its-debut/] / Futurism[https://futurism.com/muscle-powered-robot-creepy]

本記事は、海外で公開された情報の中から重要なポイントを抽出し、日本の読者向けに編集したものです。

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