服にシミがついてしまったら?水と温水の使い分けを知っておこう【ライフハック】
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 シミの正体は汚れと繊維との化学反応であり、落とすときも水の温度が関係するのをご存じだろうか?

 水よりもお湯の方が落ちそうなイメージがあるがそんなことはない。急いでるから温水で!がむしろ逆効果なになることもあるという。

 アメリカ・コーネル大学で汚れ落ちテストを実践する繊維専門家など、その道のプロが伝授する、すぐに実践できる衣類のシミ抜きライフハックをお伝えしよう。

シミの科学:化学反応と水温

 シミは繊維と汚れ成分が織りなす化学反応であり、その反応が固定化する現象を指す。そしてシミを効果的に落とすなら、それぞれのシミを見極め、適切な温度の水を使い分けたほうが良い。

 そう述べるのは、アメリカのコーネル大学の協同普及事業教育スタッフのジュディ・プライスさんと、250種類ものシミ落としの知識を持ち、あらゆるシミを落とすテストを何度も行ってきた繊維・アパレル学科の学科長アン・レメリー氏だ。

 クリーニングサービス業を営むダニエル・フェリシアーノ氏も同様で、むしろ「ほとんどのシミには水のほうが適しています」と述べている。

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シミの種類で分ける水と温水の使い分け

 その使い分けは以下の通りだ

水がベストなシミ: 食べ物や飲み物に含まれるタンパク質や血液など

血液、トマトソース、ブラックコーヒーなども、まず水で下洗い(予洗い)して落とすのが有効。水でシミが生地に固定されるのを防ぎ、繊維を傷つけずに取り除けるようになる。その後、洗濯機で普通に洗ってみよう。

特に血液についてはアメリカクリーニング協会(ACI)も、熱いお湯では新鮮な血液のシミが生地に定着し、落ちにくくなるため、絶対に水を使うべきだと指摘している。

温水が有効なシミ:主に油分に効果を発揮

温かい水が油を分解しやすくするのでメイク、バターなど油を含む場合は、シミの部分に食器用洗剤をつけ、温水で下洗い(予洗い)した後、いつも通りに洗濯機で洗おう。コーヒーもミルク入りの時はこの手順で落としたほうがいい。

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迅速な対応が鍵

 シミはなにより時間との勝負。定着する前にできるだけ早く対処することが重要だ。

 応急処置として、水向きのシミなら水で濡らしたティッシュやハンカチなどで叩くようにして、油系のシミは水なしで叩くようにふき取っておけば、後の処理が格段に楽になる。

 メイクでも口紅などは、食器用洗剤より消毒用アルコールで落ちやすいので、下に布など敷いておき、アルコールを含ませたティッシュや布で叩くのも有効だ。

 またシミが残る衣類に乾燥機を使うと、熱で定着してさらに落ちにくくなるので、心配なら一旦普通に干すか、使用前にシミが落ちてるかどうか確認したほうがいいだろう。

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洗濯表示の確認

 今回のシミ抜きはご家庭で洗濯できるものが対象だが、例えば服を買う時などに、あらかじめ洗濯表示を確認しておくのもおすすめ。ドライクリーニングオンリーの衣類に水をつけたり洗ったりすると、別物に変り果てたりすることがあるので要注意だ。

 その洗濯表示も2024年8月20日に変わったので、興味がある人は消費者庁ウェブサイトの新しい洗濯表示[https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/laundry_symbols.html]を見てみよう。

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まな板汚れにも水が便利

 実際、シミも水の温度の使い分けでだいぶ結果が変化する。

 ちなみに冬は水道水も冷たくなる時期だが、個人的に血液シミを落とすときは「体内を流れる血液はやはり体温ぐらいまでが落ちやすい」とどこかで聞いてからは、水の温度を手で触れてみて熱くも冷たくもない温度に調節してから落とすようになった。

 冬でも手も冷たくないし、すぐやれば割と簡単に落ちるのでおすすめだ。

 ついでにいうと調理のとき、たんぱく質が多い魚や肉のまな板汚れも、温度の低い水のほうがニオイも立たずに落ちるので、先に水だけでサッと洗い流して、それから洗剤とぬるま湯で洗うほうがよさそうだ。

 てことで、お気に入りの服に頑固なシミがつくとがっかりだけど、こうしたひと手間でけっこう回避できるので覚えておくと便利かも。それでダメならおとなしくクリーニング店にGOだ。

References: Iflscience[https://www.iflscience.com/got-stains-on-your-clothes-know-when-to-use-hot-or-cold-water-79203]

本記事は、海外で報じられた情報を基に、日本の読者に理解しやすい形で編集・解説しています。

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