
あるアメリカ人男性は、仕事で中央アメリカの国ベリーズに来ていた。束の間の休みが取れることになったのでカヤックに乗り、美しい島々を見ることに。
そこで運命的な出会いを果たすこととなる。
海に囲まれた誰もいない離島に1匹の犬が取り残されていたのだ。その犬はガリガリにやせ細り、飢えた状態で、あやうく命を落としかけていた。
犬を一旦保護した男性だが、ベリーズでの滞在時間猶予はわずか36時間である。犬を動物病院に連れていくと、男性は後ろ髪をひかれる思いで母国に帰って行った。
【離島に取り残されていた1匹の犬】
アメリカのモンタナ州に暮らすプロの写真家ウエズリー・ホワイトさんは、仕事で中央アメリカの東岸に位置する国ベリーズを訪れた。
多忙な仕事の合間を縫って、ウエズリーさんは美しい島々を探索することに決め、早速初日にカヤックでザッチ・ケイという小さな島から別の島へ向かおうとした。
その途中で、とても小さな島を通り過ぎようとしたところ、あるものが視界に入ってきた。それはなんと尻尾を懸命に降る犬である。
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荒れ果てた釣り小屋しかない離島に、一匹の犬がいたのだ。しかも犬は、何日も餌を与えられずそこに放置されていたとみえ、かなり痩せ細っていた。
【帰国までに残された時間はあとわずか】
ウエズリーさんに素通りはできなかった。
誰もいない場所で骨と皮だけの飢えた犬をこのまま放置すれば、恐らくすぐに命尽きてしまうだろう。彼は犬をカヤックに乗せ、島のホテルへと戻った。
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ホテルに着くと、ウエズリーさんは犬を救うために積極的に動いた。痩せた犬を見たホテルのスタッフたちも協力してくれ、餌を与えてくれた。
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その足でウエズリーさんは、犬をベリーズの獣医院へ連れて行った。
しかし残念なことに、ウエズリーさんに残された時間はあとわずか。ベリーズを去るま36時間の猶予しか残されていなかった。
病院で詳細な診察が必要となった犬を残し、ウエズリーさんは帰路に着かねばならなかった。後ろ髪をひかれる思いでウエズリーさんはアメリカに帰って行った。
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【心は既に決まっていた。犬をアメリカに呼び寄せる大作戦】
だがウエズリーさんの心は既に決まっていた。運命的出会いの瞬間から、犬を母国に連れ帰り、一緒に暮らすことを決めていたのだ。
アメリカへと戻ったウエズリーさんは、ベリーズの獣医師と密に連絡を取り合った。その後犬は元気になり、里親ケアへ移る準備ができたという。
しばらく仮の里親のもとに預けられていた犬は、ウィンストンという名前を付けてもらい、離島から救助されて約2か月後にウエズリーさんのいるアメリカまで飛行機で飛んだ。
ウィンストンがデンバーの空港に到着する日、ウエズリーさんは車でウィンストンを迎えにモンタナ州から駆け付けた。
【ウィンストンは、命の恩人を覚えていた】
およそ2か月ぶりに再会するウィンストンを前に、「短時間しか顔をあわせなかった自分のことを忘れているのでは」と不安に思っていたウエズリーさんだったが、その心配は無用だったようだ。
空港のケージから出された犬は、クンクンとウエズリーさんのニオイを嗅ぎ、尻尾を振ってうれしそうに体を寄せた。
ウィンストンは命の恩人を覚えていたのだ。
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以降、ウィンストンはウエズリーさんが暮らすモンタナ州で、仲間の犬たちと一緒に幸せに暮らしている。元気いっぱいにはしゃぐウィンストン。ガリガリで骨が見えるほどの体にもだいぶ肉がついてきた。
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運命の出会いというものがあるのなら、きっとこれがそうだとウエズリーさんは話す。以下の動画では元気になったウィンストンの姿も見ることができる。
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Dog on Remote Island Near Belize is Rescued and Brought Home | The Dodo Faith = Restored
References:Paws Planetなど / written by Scarlet / edited by parumo
追記:(2019/7/9)本文を一部訂正して再送します。
記事全文はこちら:離島に取り残されていたのは、飢えてガリガリとなっていた1匹の犬。ここから始まる犬と男性の物語 http://karapaia.com/archives/52275974.html
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